本田の「WHY?」は不適切か?
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「WHY?」
本当にそう言ったかどうかはわからないが、そのように報道されている。
ミランの本田は先日のラツィオ戦に右MFで先発。2試合ぶりの先発でゴールが期待された。前半はチーム最多の3本のシュートを放ち、後半もさぁゴールを狙いに行くぞ…と思っていた矢先、9分、まさかの交代。そのときに、両手を広げて「なぜ?」というようなジェスチャーをした。
本田にしてみれば、しっかりと役割を果たしており、さらにチームは10でリード。追加点を狙うため、いよいよこれから!というときのまさかの交代だけに、「なぜこのタイミングでおれなんだ!?」と思ったことだろう。
こういうアピールはよくない、という声もある。
しかし、恐らく本田は良い悪いを判断してやったわけではなかろう。むしろ、条件反射なのではないか。それだけ、自分の中でチームにフィットしてきていたし、しっかりと監督の求める戦術、つまり前線からも守備をしながら、攻撃を組み立ててきた。もっと遅いタイミングでの交代なら理解できるが、後半9分はあまりに早い。だからこその、条件反射の「WHY?」だろう。その後、ベンチや試合後に不服を露にしたわけではないようだから、全然問題ない。むしろ、選手として当然の主張だろう。
結果が出ていないからそんなジェスチャーするなという声もあるが、結果が出ていないからこそ、アピールするために、ピッチに立ち続けることが大事だ。だから、アピールすればいい。「いま、おれ、結果出てないから、不服も言えないっす」というようでは、ビッグクラブでは生存できまい。面の皮が厚くていいのである。もっとおれを使ってくれ!結果はついてくる!でいいのである。
海外で生活していると思う。
日本人は本当に謙虚だ。
結果が出ていないときはアピールするな。
いかにも、日本企業の営業マンのようである。
だが、海外では違う場合もある。
結果はこれから出るんだ。だから、おれを信用してくれ。心配しないでくれ。使い続けてくれ。そういう態度が当たり前。「結果が出てないからアピールも不服を表すこともしません」では、そのまま埋もれてしまう。アピールしないやつは逆に「やる気あるのか?」「自信ないんじゃないか?」と捉えられてしまうことがあるからだ。謙虚さというのは、結果を出しても「周りのおかげ」「監督が使い続けてくれたから」ということであって、結果が出ていないときからアピールしないこととは違う。
海外仕込の本田。
ぜひともこれからも、その強烈な個性とアピールでミランの中心選手になっていってほしい。
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筆:小松英之 ツイッターはこちら
小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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