モイーズの香川への評価は高まったのか?
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香川がリーグ戦初のフル出場を果たし、チームも勝利。
そのときは自分も「よっしゃ」と思ったが、数日たって、「いや、待てよ」と思い始めた。
現状は確かに出場機会が少ないが、本来、香川は初のフル出場で「よっしゃ」などと喜んでいるような選手ではないはずだ。そしてそれは香川本人もそう思っているはずだ。
香川にすれば、自分がリーグ戦初のフル出場を果たす。
メディアが大々的に報じる。サポーターから「おめでとう」と声がかかる。しかし、本人はおめでたくも何でもないのではないか。むしろ、そんな状況に唇を噛みしめているのではないか。
欧州CLも含めると2試合連続でフル出場となったわけだが、出場機会が増えてきたということは、モイーズ監督の香川への評価が高まっていることは事実だろう。ただ、「高まる」という言葉の意味に注意が必要だ。たとえば、マイナス100が0になっても、高まっている。0がプラス100になるのも、高まっているのだ。今の状況は、単にマイナスから這い上がっている「評価が高まっている」に過ぎない。そんなの、実力とポテンシャルに相応した香川の姿ではないし、香川本人もそんなところで甘んじているわけがない。
だから、私は自分に対して「香川がフル出場したニュースで喜んでる場合じゃないぞ!」と言い聞かせている。
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小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鋒氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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