セルジオ越後vsオシム?監督解任論
(小松英之が音声で振り返るメキシコ戦はこちらから)
メキシコとの第3戦にも敗れ、コンフェデを3連敗で終えた日本代表。
元々ブラジル、イタリア、メキシコという3強とのグループだったのだから、3連敗というのは可能性として十分あった。しかし、3連敗したことよりも、ブラジル戦、そしてメキシコ戦での内容、もっといえば「負け方」に大きな問題があったように思う。
この結果を受けて監督解任論が湧き上がった。
セルジオ越後氏も解任論を挙げたひとりだ。もっとも、セルジオさんの場合は「辛口」がキャラだし、解任「論」を挙げたあけで、解任せよとはいっていないのだが。
そして、その解任論に反対したのがオシム元日本代表監督だ。
オシムは「ザックほどの監督はめったにいない」と語り、それよりも召集選手の選考に提議した。
最終的に監督解任を決めるのは協会だ。そして、このタイミング(W杯まで一年)で変えることはないだろう。ましてや、アジア最終予選突破という最低限の結果は出したのだから。
しかし、オシムが反応するほど、日本のメディア上で監督解任論が出たことは前向きに捉えていい。代表にはこういうプレッシャーが必要だ。厳しい目線。メディアの、そしてファン、サポーターの。この厳しい目線が「プレッシャー」となり、それを糧に代表はまた成長していく。生ぬるい、同情や慰めの目線ばかりでは、進歩は遅い。A代表は、選手や監督の「自覚」だけに頼るような集団ではない。もはや、国民的コンテンツといっていいA代表は、厳しい目線にさらされ続けてこそ、成長し、世界との差を縮めていく。
解任論が噴出したところで、最終的には協会の権限。
しかし、解任論が高まっても監督を変えなければ、監督自身のみならず、協会にもプレッシャーがかかる。監督を選んでいるのは協会だ。ならば、協会にもそれ相応のプレッシャーがあったほうがいいに決まっている。
生ぬるい環境では個人や集団は成長が遅い。
ましてや自分の成長の問題だけでなく、サッカーは相手がつきもののスポーツなのだ。
あと一年。
メディアもファンもサポーターも、いいプレーは最大限に賞賛し、勝敗に関して派結果にこだわってどんどん厳しい目線を向けていくべきだ。
(筆:小松英之)
小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川移籍後)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鋒氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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