ブラジル戦、オシムが評価した日本代表選手は…
（小松英之がブラジル戦を振り返る！こちらから）
「岡崎は攻守にわたってハードワークしていた。ここ数年で最も成長した選手の一人だろう」
オシム監督がブラジル戦について触れ、岡崎を称えた。
もっとも、試合自体に対しては、ブラジルに好きなようにやられすぎだとくぎを刺したが…
（小松英之が音声で振り返るブラジル戦はこちらから）
岡崎はこの日、ワントップともとれる位置で出場。
ザックの意図は、ブラジルDFラインの裏を積極的について攻撃するというもので、それを忠実に実行した。と同時に、前線から積極的に守備を行い、走り回った。
ブラジル戦では、相手のプレッシャーの速さ、そしてその影響から日本の選手がいつも通りのテクニックを発揮できず、ミスを連発した。そういう試合展開の中では、テクニック云々よりも、岡崎のように、終始ハードワークに徹する選手のほうが、相手にとって脅威になるのかもしれない。
もっとも、ブラジルもよく日本を研究して戦術を組み立ててきた。その中で、日本の攻撃陣に対しては、本田と香川をしっかりマークすることが実行された。そしてその戦術は的中し、ふたりは自由に動けなかった。だからこそ、岡崎がこの二人以上にハードワークできたともいえる。
また、日本の守備陣に対しては、中央突破に対する守備は強いが、サイドからはそれほどでもないと分析。そこで、サイドから低く速いクロスを入れることで崩せると分析した。そして、当たった。1点目、2点目ともにサイドからのクロスでゴールを奪った。
王者ブラジルがホームで、しかも日本をしっかりと研究して臨んできた。オシムは「ブラジルとやれば、どのチームだってこんなに強いのかと驚く」と語ってる。ただ、「驚きすぎて日本は何もできずに、好きにさせすぎていた」とも。
世界を驚かすどころか、世界の強さに驚かされてしまったが、驚かされたままでいるわけにもいかない。次はイタリア。こちらだって驚くほど強い。だが、ブラジルと戦って、しかもどん底に叩き落されて、もうあとは這い上がるしかないのだ。
オシム元監督にも賞賛されるような試合を期待したい。
（筆：小松英之）
小松英之（こまつひでゆき）
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業（当時）や清水東、東海第一（当時）、静岡学園などの試合を見て育つ。Ｊでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア：マンＵ（香川移籍後）、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ：バルセロナ
セリエ：ユベントス、ローマ。
【中国Ｃリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鋒氏とは何度も会食している。
０８年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
０９年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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