イラク戦最大の収穫は「○○」
BEE FOOTBALL SPIRIT RADIO 2013
日本代表コンフェデ杯特集!!日本代表とコンフェデ対戦国を語る!
イラク戦はある意味では微妙な試合だった。
なぜなら、評価基準をどこに置けばいいのか、明確ではないからだ。
その上で、いくつかのポイントを挙げておくと、
1、決して単なる消化試合ではない
2、本田不在(のシチュエーション)
3、香川トップ下
4、控え選手のテストの意味合いがある
5、公式戦である(親善試合ではない)
6、アウェイの戦い(イラク本国ではないが)
7、日本はコンフェデ前で無理はしたくない
8、ここ3試合、日本代表は親善試合も含めて勝ちがない
こういった状況の中で、この結果をどのように見るのか?
これはもう、個人によって大きく異なってくるだろう。
私個人が思ったことは、勝利という結果がもたらす好影響だ。
もちろん、すでにW杯出場を決めている日本は、今日の勝ち点の積み上げにそれほどの意義はない。また、最近日本代表が勝利がないということもあるが、それがそれほど大きな負の影響を与えているとは思わない。
では、どんな好影響か。
それは今日起用されたメンバーが自身を持つことができるということだ。そしてそれにより、選手層の厚さが生まれることだ。今日出場した普段は控えの選手たちとしてはアピールの場であった。そのアピールとは、言ってしまえば「おれを試合に使ってくれ」ということだ。「おれを起用しても、レギュラーと遜色ない」。いや、中には「おれのほうがいいはずだ!」という強烈なメンタルの控え選手もいるのかもしれない。
勝ったことにより、そういった選手たちが「どうだ」となれる。
もちろん、反省もあろう。
これでレギュラーを奪えると思ってもいないだろう。
だがしかし、固定メンバーで戦うのが常のザック監督の指揮下で、なかなか先発の機会を得られない選手たちが、少なくとも自分たちもできることを証明するためには、やはり勝利が必要だった。そして、それを得た。だから、この勝利は大きい。
個人的には、控え組の中では伊野波と細貝は総じて良かったと思う。
ハーフナーはやはりゴールがほしかった。酒井は何度かいいクロスを上げていたが、全体を通して無難な印象で、内田というレギュラーに対して強烈なインパクトはなかった。清武は香川とのコンビで随所にいいプレーが見られたが、層の厚いこのポジション、やはりゴールもしくはゴールに直結する決定的なプレーがほしかった。
それにしても…
試合終盤のゴール。遠藤の走りはさすがだ。オシム監督から「走りが足りない」といわれ続けた遠藤。今日の試合を見れば、オシム監督も微笑んでくれるのではないか。
控え選手が入っても結果を出した。
しかもアウェイで。
この勢いを持って、世界の強豪たちが待つ、コンフェデへ向かう。
(筆:小松英之)
小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川移籍後)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鋒氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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