ザックはなぜ香川を祝福しないか
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小松英之の連載がブログで紹介されました!
「これは到達地点じゃない。スタート地点なんだ」
ザックはあえて香川に「おめでとう」を言わなかった。
その上で、「香川の質を持ってすれば、3年後に、香川に祝福の電話をかけることができる」と独自の言いまわしで、今後の活躍に期待を寄せた。
さすがは世界最高峰リーグであるセリエAを渡り歩いてきた監督である。厳しさを知っているとでも言おうか。それだけに、移籍だけが決まったからといって、何を祝福できるだろう。本当に祝福すべきは、移籍後の活躍があってからであり、さらには、3年という長いスパンで見たときに、それでもレギュラーで活躍できていて、初めて成功といえるのだ。
そんなザック監督の考えが読み取れる。
それに、もしも香川がマンUでレギュラーが取れず、ベンチが続くようだと、それは直接日本代表にも影響する。
「あぁ。ドルトムントのころのほうがよかった。試合にも出れていたし、活躍もできていたし。マンUに移籍してから、めっきり出場機会が減ったから、代表に帰ってきても、コンディションもいまいちだし、試合勘も鈍ってるな」
そんな状態に陥ってしまっては、祝福どころではない。
だからこそ、移籍報道で祝福ムード(すでに成功ムード)になっている周辺を冷静に見ながら、ザックはザック流のコメントをしたのであろう。
もちろん、日本人のマンU入団はそれ自体が成功だ。
だが、本当の成功は、これからである。
<筆:小松英之>
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