松井がはずれて中村憲が入った理由
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小松英之の連載がブログで紹介されました!
9月のW杯アジア3次予選に臨む日本代表メンバーが発表され、欧州組である松井がはずれて、同年代の中村憲が入る驚きの選考があった。
なぜ、松井がはずれて、中村憲か。
松井のストロングポイントは、当然ドリブルとスピード。
サイドをえぐってチャンスを作り出すウィングタイプの選手だ。
一方の中村憲はパサー。
ボランチもできるし、トップ下もこなせる。
現在、日本代表の前線は1トップ(最近は李が多い)で、二列目に本田、岡崎、香川というのが定着している。さらに、清武という若い逸材が過日の韓国戦で存在感を示し、原口もJで好調を維持しているということで今回選出された。
つまり、前線のサイドを張るポジションは、レギュラーも、控え組も、成長著しい人材が満載なのだ。
一方、遠藤と長谷部が不動となっているボランチはどうか。
ここは不安をぬぐえない。この二人以外に替えがいないのだ。
最有力候補だった家長が今回の選考からはずれているのを見てわかるように、ザックの目にはまだまだだったようだ。
細貝は常にここに名を連ねているが、もうひとり、しっかりと替えの効く選手がほしかったのではないか。
そこで、中村憲である。
もちろん、試合出場状況やコンディションもあるだろう。
また、アジア予選という、W杯本大会とは違う戦いであるということで、中村憲の経験を活かしたいという狙いもあるはずだ。
それは、ザック監督が中村の選考理由についてこう語っているのをみてもわかる。
「経験豊富でパスの精度が非常に高い。30歳になっても向上心を常に持っている」
いずれにしろ、本大会とアジア予選の戦い方は違う。
アジア予選を戦いながらチームを作り上げていくことは間違いないが、ともあれ、まず喫緊の目標はW杯本大会への出場権を獲得することだ。
今回の選出は、そのための、まず第一歩ということである。
いわば、選考でリスクを犯すよりも、安全策を取ったと見るべきである。
とすれば、松井や家長に限らず、本大会までは他選手にも、まだまだチャンスがある。それに、実際に本大会出場を決めれば、それは2014年の話だ。ベテランより、若手が有利になる。
まずはこのメンバーで、どのように3次予選を勝ち抜いていくのか。
見守りたい。
<筆:小松英之>
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