【小松英之試合レビュー】イングランド11アメリカ(グループC)
小松英之【連載】海を越えたピッチからの便り
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【小松英之による試合レビュー】
2010年6月12日 グループC イングランド11アメリカ
イングランドGKのグリーンがあのミスを犯した瞬間、目を疑ったと同時に、繰り返されるスロー再生を見ながら「もしかしたらジャブラニのせい!?」と感じた。そして試合後の同選手のインタビューを見てやはりと思った。「ボールのせいにはしたくない」。これがグリーンのコメントだ。
前半早々にジェラードのゴールで幸先良く先制したイングランド。先制ゴールに喜ぶ選手たちに、監督であるカペッロは「早く自陣に戻れ!」と叫ぶ。試合がまだ始まったばかりで、ここで油断が生じることを恐れたのであろう。
しかし、カペッロの心配が杞憂に終ったかのように、イングランドはその後、安定的な試合運びを見せる。FWルーニーの目立った見せ場がなかったのは残念だったが、チームとしては大きな問題はなかった。
一方のアメリカは、こういう言い方はなんだが、世界の中心国とは思えないくらいに戦う姿勢を前面に出して戦っていた。
とにかく必死でボールを追い、イングランド選手にまとわりつく。その姿勢からは、あのイングランドから2点を決めなければ勝てないというようなあきらめは一切なかった。
その姿勢があのゴールを生んだ、というのは少し精神論に偏りすぎている気もするが、しかしながらそう言いたいくらいのグリーンの凡ミスであり、アメリカにとってはラッキーなゴールだった。しかもそのゴールが結果的に自身に勝ち点1をもたらし、相手の勝ち点を2減らすことになったのだから、サッカーはわからない。
とにかくシュートを打つこと。シュートを打てば何かが起こるという教訓がそこには見て取れる。
そして、同じく経済大国である日本は、アメリカ並みに気持ちを前面に押し出して戦って欲しいものだ。
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筆者紹介:小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。中国語教師。龍飛中国語会話スクール名誉講師。サッカー専門サイト「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。その他チェルシー、マンチェスターC、ユベントスなどの観戦経験あり。
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海シンハや武漢光谷といったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。
08年 Cリーグ武漢光谷のスポンサー募集窓口担当。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
山東魯能でコーチを務める張海濤コーチとは家にも行ったことがあるほどの仲。張コーチは08年、ドイツのケルンFCにてコーチ留学を終えて帰国した。ドイツでのコーチ留学の状況を聞けるなど、貴重な交流を重ねている。