【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中国が発信している情報を偏見なく紹介します。その他、趣味のサッカー(ガンバ大阪/清水エスパルス/バルセロナ)やお酒の話題など。

【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.09 2 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.09
November, 2017
 
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---とても残念な試合展開でした。まずは、ご自身の先制ゴール(前半7分)を振り返っていただけますか?
中村「試合の立ち上がりは、チームとして、前でボールを奪って、サイドに展開して、シンプルにボールを入れようという意識でした。そんな中、イゴール(18番)がワンツーで相手GKまでかわしてくれて。僕はそれを決めるだけでしたね」
 
---立ち上がり、わずか7分に先制点というのは、まさに理想の展開ですね。
中村「そうですね。特に守備の部分がよかったです。前から引っ掛けることができていたし、後ろ(DF)も前線の守備にしっかり連動できていたので、相手からすれば、スペースがなく、戦いづらかったんじゃないですかね」
 
---この試合の立ち上がりは、リスクを犯さずに、まずは守っていこうという共通認識でしたか?
中村「いえ。この試合は前半からむしろリスク犯してでも前に行こうというプランでした。そういう意味では、プラン通りの試合展開でしたね。先制点の後、2点目を取ることもできましたし。ただ、その後のチームとしての戦い方にちょっと課題がありましたね。2点先制していただけに、そこは反省点です」
 
---2点目は29分。相手のオウンゴールでした。
中村「イゴール(18番)のシュート性のクロスが相手に当たって入ったゴールでした」
 
---前半29分までに、強豪ペガサス相手に2-0とリード。これほど理想的な展開はありません。ただ、先ほど、この後にの戦い方に課題があるとおっしゃいました。具体的には、どんな戦い方だったのでしょうか?
中村「ひとつは、チーム内で3点目を取りたい選手と、2点取って少し落ち着きたい選手と、ふたつに別れてしまったこと。もうひとつは、相手の1点目ですが、シーズンに1本、出るか出ないかくらいのスーパーシュートを決められたことで、気持ちが引いてしまった選手がいたことです」
 
---チームは34分に1点を奪われた後、立て続けに2点目を決められてしまいます(38分)。
中村「相手の2点目は、うちのDFとGKの連携ミスから奪われたゴールでした」
 
---チーム内の意思統一と相手のスーパーゴールで、ペガサスに付け入る隙を与えてしまった、と。
中村「僕みたいに経験のある選手が、どういう戦い方をするのかという指針を、チームに与えることができなかったのが原因かな、とも感じています」
 
---中村選手は、3点目を取りたかったのか、チームを落ち着かせたかったのか、どちらでしたか?
中村「僕はどちらかといえば3点目を早めに取りたかったですね。でも、後ろ(DF)が落ち着きたい感じだったのが伝わってきたので、中盤でプレーするものとしては、バランスを気にしながらやっていました」
 
---中村選手はバランスを取りつつプレーしていたが、チーム全体の意思を統一させるまでには至らなかった、と?
中村「はい。前線(FW)の選手は、3点目を取りに行きたがっていて、でも後ろが連動できなくなり始めて、FWが前に出て空いたスペースを相手に付かれるようになりました
 
---早々に2失点して、ペガサスも焦っていたのではないでしょうか?
中村「それはありましたね。ただ、相手の1点目が本当に、うちにとっては事故みたいなものだったんですが、あれで相手が勢いに乗って、うちが気落ちしちゃった部分もありましたね。もっとボールをつなげればよかったんですけど、逆にオープンな展開にしてしまったのも、よくなかったです」
 
---サッカーは1チーム11人で行うスポーツで、試合展開によって戦い方が変わります。その中では、たとえ同じチームの選手間でも、戦い方に違いが生じる状況もあります。そんなときは、やはり、チームの中で、意思統一を計っていく選手が必要なのでしょうか?
中村「必要ですね。サッカーは相手あってのスポーツでもあるので、試合展開だけでなく、相手の出方によってもチームの戦い方を考える必要があります。そういう時に、特に若い選手は、しっかり意思統一できないこともあるので、そういう時に、僕みたいな(経験豊富な)選手が声をかけていく必要はありますね。試合後には話をしたんですが、試合中にも、声をかけていかないといけないかなと思います」
 
 
続く
 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.09 1 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.09
November, 2017
 
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「2点目を取り切るってことですね。2点目を取ってゲームをクローズさせてしまう。次節は強豪・ペガサス戦ですし、そこをしっかりできなかったことが課題ですね」
 
前節、難敵サザンをアウェーで1-0で破った後のインタビューで、中村祐人はそう語っていた。追加点を取りきって、相手に止めを刺し、ゲームを終わらせてしまう。それが課題だと。だが、奇しくもそのペガサス戦で、中村祐人が懸念していた課題が再出してしまう。
 
香港プレミアリーグ第7節。Taipo FCは強豪ペガサスと対戦。2-3で敗れた。自らゴールを決め、相手のオウンゴールで追加点を奪い、前半30分までに2-0とペガサスを突き放す理想の展開。スコアと試合展開的には勝っておかなければならないこの試合。しかし、サッカーの女神は気まぐれだった。そして、中村祐人自身も62分で交代となった。
 
翌日には、Sapling杯のグループリーグ、元朗戦を控えたタイミングで、中村祐人はインタビューに応じてくれた。話はペガサス戦以外にも、79年組、角界ACL決勝にまで及んだ。
 
続く
 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.08 5 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.08

November, 2017

 

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---前回、中村選手自身の「リバウンド・メンタリティー」についてお話を聞きましたが、チームとしてのリバウンド・メンタリティーをあげていくには、どうしたらいいのでしょうか?
中村「今季のうちのチームは、そういう意味では、骨太なやつがそろってますから、いい方向に向かっていくんじゃないかと思っていますけどね」

---「骨太」というのは、例えば先制されても逆転に向かっていく強さとか、追い込まれてもはじき返す強さとかだと思いますが、やっぱりそういう選手がたくさんいるチームは、チームのリバウンド・メンタリティーが強くなるのでしょうかね?
中村「はっきりとは言えませんが、今季のうちのチームで言えば、言葉にしなくとも、自然とそういうメンタルを表現できる選手が多いのは確かですね」

---確かに、中村選手は前回のインタビューで、『このチームは何かスペシャルなものがあるわけではない。負けて、悔しい思いをして、這い上がってきたチームだから』という話をされていました。これこそ、まさにリバウンド・メンタリティーですね。
中村「うちはそういうカラーのチームですよね」

---わかりました。今回も誠にありがとうございました!次節も期待しています!

 

 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.08 4 of 5

Dialogue with Yuto NakamuraNo.08

November, 2017

 

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---ちなみに、このサザン戦の前のイースタン戦で中村選手はゴールを決めました。サザン戦でもゴールを決めてやる、という意識はありましたか?
中村「チャンス見てっていうのはもちろんありました。ただ、CMで一緒に組んでる選手が割りと前へ行くので、僕はバランスを最優先していました」

---サザン戦に限らず、中村選手自身が、CMの位置から、積極的にゴール前へ顔を出していくという意識はあまりないですか?
中村「意識としてはありますが、やっぱり中盤だから後ろのことも考えないといけないし。本当にバランスを見て、って感じです」

---中村選手が前に出る回数が多くなると、バランスが崩れてしまう、と?
中村「まぁ(後ろが)なんとかしてくれるんでしょうけどね。まだ少しそこは様子を見て、試行錯誤をしている感じですね」

---「ほら見ろ!中村選手がスタメン復帰したら、2連勝したじゃないか!」と、ファンとしてはドヤ顔なんですが、いかがですか?(笑)
中村「まぁ多少はそういう思いもありますけどね…。でもだからといって、それで(スタメン落ちした)傑志戦の結果が変わるわけではないのでね。まぁいいタイミングで先発して、チームにいい流れをもたらすことができたんじゃないかな?くらいに思ってます」

---これで先発に定着できそうだと感じていますか?
中村「どうですかね。代表ウィークが入ってきて、次の試合まで少し時間が空きますし。それまでに、またいろいろチームとしても事情が変わるでしょうから…。どうなるのかな、って感じです」

---でも、ここまではっきり、中村選手の先発/不先発で結果が変わるというのは、とても面白い現象です。
中村「そうですね。まぁここ2試合に関しては、自分でもいい流れを作れているなと思っています」


続く

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.08 3 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.08

November, 2017

 

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---後半の試合展開も、変わらず中盤でのつぶし合いが続いていたんでしょうか?
中村「続いていながらも、僕がピッチにいる間は、ボールをつなぐこともできていたんですけどね。ただ僕もだいぶ消耗してしまい、交代してからは、かなりオープンな展開へと変わっていきました。危ないシーンを作られましたが、なんとかしのぐことができて、1-0で試合を終えることができました」

---アウェーでの難敵・サザン戦に1-0で勝利。十分に素晴らしい結果だと思うのですが、あえてチームの課題を挙げるとしたら、何が挙げられますか?
中村「2点目を取り切るってことですね。2点目を取ってゲームをクローズさせてしまう。次節は強豪・ペガサス戦ですし、そこをしっかりできなかったことが課題ですね」

---しかし、サザン戦の後半も、チャンスは作れていたんですよね。
中村「そうですね。だから本当に、最後のところ、ゴールを決めきるという部分だと思います」

---今季、Taipo FCはSapling杯でイースタン相手に5得点したり、またリーグ戦でも2点以上取る試合がありました。1点奪って2点目が奪えないときと、大量得点を奪えるとき。何が異なるのでしょうか?
中村「何でしょうね…。まぁもちろん相手によるところもありますが、私が思うに、うちのチームは2点目が入れば、その後もポンポン入るのかな、と…。まぁでも…難しいですね」


続く

 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.08 2 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.8
November, 2017

 

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---サザンとの試合、サザンのホームゲームでしたが、Taipo FCは見事1-0で勝利しました。チームの実力的に、中村選手の中で、この試合は十分勝てるという勝算はありましたか?
中村「いや。サザンは力のあるチームで、昨季の順位はうちよりも上ですし、しかも彼らは自分たちのホームではめっぽう強い。だから、Taipo FCとしては決して勝てる自信が十分あったわけではなかったです」

---そんな中、Taipo FCは1-0で勝利しました。前半の44分にPKから得点を決めましたね。これが結果的に決勝点となりました。
中村「この試合は、あそこで先制点を取れたのが本当に大きかったですね。試合中の感覚としては、激しくつばぜり合いをしているような感覚だったんです。お互いが中盤でつぶしあって、なかなかゴール前までいけないような展開でした。サザンはセットプレーでのチャンスを何回か作りましたけどね」

---なるほど。
中村「だから、試合をしていて、これは先制点を奪ったほうが、かなり有利に試合を運べるだろうな、と。そんな中、あの時間帯にPKが取れて先制できた。それでだいぶメンタル的にも有利になりましたね」

---1-0で折り返したハーフタイムでは、どんなことを考えていましたか?
中村「前節の傑志戦で学んだように、ここで引いちゃうと相手を有利にしてしまうな、と。だからあまり引かずに、むしろ積極的に自分たちのペースを握って、早めに2点目を取りにいくんだと思っていましたし、それをチームでも確認しましたね」

---ハーフタイムで、チームの意思統一もしっかりできていた、と?
中村「はい。チームメートからも自然とそういう声が出ていたので、後半はいけるなと感じていました」


続く

 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.08 1 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.08
November, 2017

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香港プレミアリーグ第6節。中村祐人がプレーするTaipo FCはKwoon Chung Southern(以下、サザン)とアウェーで対戦。1-0で勝利した。開幕から4試合、2勝2分と負けなしで迎えた第5節では、優勝候補の傑志と対戦し、1-2で敗れた。連敗は避けたいところで迎えたこの第6節。Taipo FCはその前の週にSapling杯のイースタン戦を5-2と大勝してこの試合を迎えていた。


中村祐人はこのサザン戦でもCM(セントラルミッドフィルダー)として先発。74分までプレーした。今季、ここまで大躍進を遂げているTaipo FCは、このアウェー戦でも難敵を蹴散らして連敗を阻止。リーグ戦の成績を3勝2分1敗の勝ち点11と伸ばした。

 

この試合後、世界のサッカーシーンはナショナルチームの期間に入り、香港プレミアリーグもしばらくのブレイクとなる。香港代表はバーレーンとの親善試合の後、2019年アジア杯の予選グループB、レバノン戦を迎える。


中村祐人に話を聞いたのはそんなタイミングでのことだった。

 

続き

 

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