【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中国が発信している情報を偏見なく紹介します。その他、趣味のサッカー(ガンバ大阪/清水エスパルス/バルセロナ)やお酒の話題など。

【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.05 1/5

Dialogue with Yuto Nakamura No.05

October, 2017

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香港プレミアリーグ第四節。中村祐人がプレーするTaipo FCはリーマンに2-2で引き分けた。2試合連続の3ゴールで2連勝を飾って迎えたこの一戦。もちろん、3連勝に期待したのだが、結果は引き分け。それでも、先制されて追いつき、勝ち越されてまた追いつくという粘り強い試合展開をTaipoは見せた。

オンラインのインタビューはビデオチャットで行うのだが、今回は2試合分ということもあり、普段よりも長時間のインタビューとなった。にもかかわらず、中村祐人はいつものように淡々と、だがしっかり言葉を選んで答えてくれた。時折、湯呑みを片手に、喉を潤しながら。

また、インタビュー時はちょうどスペインのカタルーニャ自治州で独立を問う住民投票が実施されたときだった。サグラダファミリアを擁する世界屈指の観光都市は、説明するまでもなくサッカー界とは切っても切れない縁がある。その中心であるバルセロナFCはなんと、カタルーニャ地方で起こっている出来事を世界に効果的に発信するという目的のため、無観客試合を実行した。サッカー界でも度々話題になる政治とスポーツの関係性について、中村祐人はどう考えているのか。このデリケートな問題についても、彼に聞いてみた。

それでは、まずは第四節、リーマンと2-2で引き分けた試合を振り返ってもらおう。

All Photos by Taipo FC

続く

【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.04 5/5

Dialogue with Yuto Nakamura No.04

October, 2017

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—ところで、中村選手と奥様の記事が香港のメディアに取り上げられていましたね。私もその記事を読みました。

※「HongKong on.cc」(東網)に中村夫人をメインにしたインタビュー記事が掲載された。記事はこちらから(中国語)

中村祐人「ありがとうございます」

—この記事ですが、僕はすごくいい記事だと思いました。なぜなら、すごく的確に中村夫妻のキャラクターや関係性が描かれているし、何より、ミーハー感が少ないんですね。これまでに、中村選手も、そして奥様も、何度も香港メディアに取材されてきたし、取り上げられてきたと思いますが、正直、中にはすごく世俗的というか、ミーハーが過ぎるというか、そんな記事もあったんですね。でも、今回の記事は奥様をメインに取り上げてるにも関わらず、あまりそういう印象を受けず、好感が持てました。

中村祐人「確かにそうですね。僕もいい記事だと思いました。おっしゃる通り、過去にはすごく世俗的な書き方をする記事もありましたからね」

—あのインタビューはどこで取材を受けたんですか?

中村祐人「チームのクラブハウスです。そこの一室でインタビューを受けました」

—インタビューを受けている時から、いい取材だなと感じていましたか?

中村祐人「そうですね。記者は若い女性記者で、今回は各チームの選手の家族にスポットを当てるっていう特集を組んでるみたいで、それでTaipoは僕の妻、ってことになったんです。最初から妻をメインにした取材ってことだったんですが、しっかりサッカーのことについても触れてくれていますしね。すごくいい取材でした」

—なるほど。それはいい記事になるわけですね。

中村祐人「お陰様で反響も結構ありました。いろんな友人から記事を見たって声をかけられたんです。本当にありがたいことです」

All Photos by Taipo FC

【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.04 4/5

Dialogue with Yuto Nakamura No.04

October, 2017

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—チームとして先制点を取るという共通認識ができていたとのことでしたが、積極的に先制点を狙いにいくチームもあれば、前半はリスクを冒さずに、0-0でもいいっていうチームもありますよね。Taipoはどちらですか?

中村祐人「結局は対戦相手との力関係によって決まります。今回のレンジャース戦に関して言えば、先制できれば、自分達に有利に試合を進められるってわかっていたので、狙いにいったんですね。さっきも言いましたが、先制するまでに時間がかかってしまいましたが、集中が途切れることなく、狙い続けることができてよかったです」

—結果的に、いい時間帯に先制点を取りましたね。

中村祐人「前半終了前の時間帯でしたからね。相手にもダメージになったかなと。逆に、あのまま先制できずに後半に入っていたら、うちのチームが焦れてきちゃっただろうから、本当にあそこで先制点が取れてよかったですね」

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続く

【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.04 3/5

Dialogue with Yuto Nakamura No.04

October, 2017

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—試合後に、3-0という結果にも関わらず、まだあと2点は取れたと言っていましたよね。決定力という部分では、もっと高めていけそうですか?

中村祐人「はい。というより、むしろ、もっと高めていかなきゃだめですね」

—開幕3戦目にしてチームはクリーンシートを達成しました。守備に関しても、チームとしてしっかり機能していたと感じていますか?

中村祐人「前半は何度か危ない場面はあったんですけどね。でもDF陣がしっかり跳ね返せていた。後半に入ると、相手が攻め急いでくれたっていうのもありました。自滅してくれたというか。そういうのもあってのクリーンシートなので、守備の面でも、攻撃面と同じく、まだまだ修正していかなきゃいけないところは多いですね」

—プレーしている選手の側からすると、同じ勝利でも、無失点と失点ありとでは、心理的に違うものですか?

中村祐人「そうですね。やっぱり無失点で終わったほうが気持ちいいです。それに、失点ゼロなら、負けることはないわけですから」

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.04 2/5

Dialogue with Yuto Nakamura No.04

October, 2017

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—2試合連続の3ゴール。すごいですね!

中村祐人「そうですね。お陰様で、3-0で勝つことができました」

—レンジャース相手なら、Taipoは3-0で勝っても不思議ではない。そんな下馬評ですか?

中村祐人「そういう風に見られてるなとは感じますね。でも、香港プレミアリーグは実力差がなくなってきているから、どっちに転んでもおかしくない状況なんです。そんな中、3-0で勝つことができたのは大きいですね」

—この試合もCM(セントラルミッドフィルダー)での出場でした。

中村祐人「はい。どちらかというと、守備的にプレーしましたが」

—2試合連続で3ゴール。そんなチームの攻撃陣をどう見ていますか?

中村「攻撃陣が好調っていうのもありますが、やっぱりチーム全体として機能しているというのが要因じゃないかなと思います。この試合でも、うちの得意の形である、攻めさせておいて、奪ってショートカウンターっていう形がはまったので」

—チームとして、共通意識がしっかり取れていると?

中村「そうです。この試合でも、先制点を取ろうってチームでは話し合ってました。実際に先制点を取るまで少し時間がかかりましたが、それでもしっかり取ることができた。その後は、さっき言ったようにある程度相手に攻めさせておいてからのショートカウンターで追加点を取れたんです。しっかり意思統一ができていましたね」

All Photos by Taipo FC

続く

【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.04 1/5

Dialogue with Yuto Nakamura No.04

October, 2017

1 of 5

香港プレミアリーグ第三節。中村祐人がプレーするTaipo FCはレンジャースに3-0で勝利した。第二節のイースタン戦(3-1で勝利)に継ぐ3ゴールを奪っての勝利。その結果に、思わず私も「今季のTaipoは強い!」と叫んでしまったほどだ。

すぐにでもオンラインのインタビューを取りたかったのだが、私がアメリカに滞在していたため、時差の関係もあり、スケジュールの都合がつかなかった。そのため、ラインでやり取りしたのだが、なんと中村祐人は「あと2点は取れた」と、3-0という結果に満足することなく、課題を挙げていた。

そして、続く第四節も行われ、その後のタイミングでやっとオンラインのインタビューが実現した。つまり、第三節、第四節と2試合分のインタビューに答えてもらったのだ。

それでは、まずは第三節、レンジャースに3-0で勝利した試合から振り返ってもらった。

続く

All Photos by Taipo FC

【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.03 5/5

「FOOT×BRAIN」にも出演!中村祐人

Dialogue with Yuto Nakamura No.3

September, 2017

5 of 5

—それに、君のパスは、受け手側がすぐに次のプレーに移れるよう出されているように見えるね。だから、君が起点になってパスをさばくと、チームにいいリズムが生まれるんだと思ったよ。

中村祐人「パスは強弱だったり、相手の受ける足(左右どちらの足か)だったり、そういう部分でメッセージを込められるからね。例えば、ここはターンしてくれとか、ワンタッチで落としてくれれば、こっちはもう3人目が見えているぞとか、そこはすごく意識しながらプレーしているよ」

—改めて、イースタンに3-1と逆転勝利。たとえ相手が後半早い段階で退場者を出したとはいえ、0-1とリードされてからの、後半だけで3点を奪っての勝利。これは、今後のリーグ戦を戦う上で、どうチームに影響するだろうか?

中村祐人「すごく自信になると思うよ。若い選手も結果を出せたし。でも、チームとしてはまだ課題は山積みだし、油断はできないよ。新加入選手もまだフィットしていないしね。後で振り返ったときに、Taipoはイースタンには勝ったけど、その後、勝てなかったね、となってしまう可能性はまだまだあるからね」

—新加入選手のチームへの早期フィット以外に、大きな課題としては、どんなものがあるんだい?

中村祐人「Taipo FCのカラーに、アグレッシブなサッカーというのがあるんだけど、そこに早く新加入の選手が慣れて、チーム全体としてそれを確立する必要があると思ってる。僕はベテランというか、チームの中心選手として、そこのサポートはしっかりしていきたいと思ってるよ」

—ところで、神戸でプレーするポドルスキが、ドイツ誌の「キッカー」で、「日本人選手は遠慮深くて、優しくて、謙虚だけど、それはサッカーの試合においては必要ない」というニュアンスの話をしていたんだけど、海外で長くプレーしている日本人である君は、これを聞いてどう思う?

中村祐人「うーん…。まぁ主張すべきときは主張しないといけないと思うけど‥。どうだろう。ポドルスキがそう言っているなら、そうなんじゃない?って感じかな(笑)」

—君自身はどちらかというと、よく主張する方かい?

中村祐人「主張する方だと思うよ。僕はわりと反発を生むタイプの選手だったと思う。やっぱりFWっていうポジションは(周りから)使われるポジションだから、どんどん主張しないと、こっちが求めていることが伝わらないしね。だから、たとえ新加入選手でも、どんどん主張していかないと。ピッチの上ではね。そうやって連携がよくなっていくし、プロなんだから、主張すべきときはしないといけないと思うよ」

—どうもありがとう。改めて、昨日はおめでとう!そして、今後のチームの活躍を楽しみにしているよ!

「FOOT×BRAIN出演直後の中村祐人を独占取材! 10000字インタビュー」