清武にも強力なライバル出現か
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W杯イヤーの今年。
気になるのは日本代表の選手たちの試合出場の状況、特にシーズン中の欧州組の状況だ。
香川の状況は説明するまでもない。もしもこの状態が続いて、そのままW杯に臨めば、世間で「試合勘」呼ばれるところのコンディションに支障をきたすことは間違いないだろう。
本田は今のところミランで出場しているが、なにせビッグクラブでライバルに好選手が多い。先日の試合でもいいところを見せられず、交代時には会場からブーイングが。結果が出ないままだとこの先、先発落ちの可能性もあるだろう。W杯のためとは言わないが、このまま試合に出続けてほしいし、そのために監督から常に擁護される状態ではなく、ファンもメディアも納得の状況で出場を続けてほしいものだ。
リーグ前半戦から一転して好状況になってきたのが吉田。
ベンチを暖める日々が続いていたが、ライバルの怪我によりここのところは連続出場が続いている。間もなく怪我のライバルが戻ってくるが、はたしてそのまま先発の座を守れるのか。だが少なくとも、リーグ前半戦のようにベンチを暖めたままW杯に臨むわけではないため、少しは安心だ。もちろん、ポジション争いの本番はこれからだが。
岡崎はあと1ゴールで２ケタ得点のところまできているが、あと１ゴールが遠い。しまいには神の手ゴールまで飛び出してしまったが、しかし試合には出続けている。マインツへの移籍は大正解だった。W杯にはぜひとも「ブンデスで２ケタ得点を記録している選手」として相手から警戒されるプレーヤーとして出場してほしい。
その他、安定して試合に出場し、しかも結果を出している長友。
怪我からの復帰が待たれ、復帰後にはまたレギュラーが約束されているのかどうか、少し不安な長谷部。
またここにきて古傷の肉離れを起こし、手術はせず治療する道を選んだ内田。
そしてチームとリーグをすっかり代表するGKとなった川島など、シーズン中の欧州組の動向は今後も注目だが、ここへきて、少し異変が起きたのが清武だ。
前節、ニュルンベルクは勝利したものの、清武は前半だけで交代と、これまでにない起用法だった。しかも、試合後の監督のコメントは、「簡単にボールロストしていた」「攻撃において、何も起こせなかった」と厳しい。そして清武に代わって入ったカンパーニャという新加入選手がいいプレーを見せた。もちろん、ここまでずっとレギュラーを張ってきて、攻撃の組み立ての中心でもある清武がそう簡単にレギュラー落ちするとは限らないが、前半だけで交代させられたのは事実だ。日本代表では準レギュラーのような立場だが、交代枠も含めて、やはり清武は欠かせない存在。どうか活躍を見せてチームを上昇させてほしい。
W杯本番に向けて、日本人選手の試合出場に否が応でも注目が集まる。
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小松英之（こまつひでゆき）
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業（当時）や清水東、東海第一（当時）、静岡学園などの試合を見て育つ。Ｊでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア：マンＵ（香川在籍時）、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ：バルセロナ
セリエ：ユベントス、ローマ。
ブンデス：ニュルンベルク（長谷部、清武在籍時）、ハンブルガーSV
【中国Ｃリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
０８年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
０９年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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