【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中国が発信している情報を偏見なく紹介します。その他、趣味のサッカー(ガンバ大阪/清水エスパルス/バルセロナ)やお酒の話題など。

【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.010 4 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.10
December, 2017
4 of 5

 

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---一方で攻撃陣ですが、この試合でも3得点しています。今季のTaipo FCは本当にゴールをたくさん決めている印象が強いのですが、攻撃に関しては、以前からインタビューでおっしゃっているように、やはり高い位置からのプレスでボールを奪い、カウンターで仕留めるという戦術がはまっているからなのでしょうか?
中村「そうですね。だいぶメンバーも固定されてますし、そのメンバーで出場できてるときは、その戦術がすごく機能するな、という印象はあります。ただし、真ん中の誰かが抜けたりすると、逆にチームのサッカーも変わってしまうなという印象もあります。僕だったり、CBだったりが抜けると、チームのサッカーが変わってしまう。だから、交代で入ってくる選手が出ても、同じように質の高いサッカーができるように、レギュラーである僕たちも、また控え組も、共に意識して取り組んでいく必要があるかなとは思います」

---一方で、対戦相手も当然ながら、今季のTaipo FCを分析しているでしょうし、試合に臨むに当たっては、しっかり対策を立てて臨んできていると思います。それでもゴールを重ねることができている。その要因は、やはりそれだけ今季のTaipo FCの攻撃に破壊力があるから、ということなのでしょうか?
中村「個人的には、うちの攻撃が破壊力があるとはあまり感じていないです。それよりも、FWのイゴール(18番)が、いつも相手を一人、二人とはがしてくれるし、自分でもゴールを決められるし。事実、今季のうちの得点の半数以上は、彼が関わっていると思います。この試合でも、イゴールが前半の早い段階でゴールを決めてくれたので、それでユンロンとしてもゲームプランが崩れたというのはあるんじゃないですかね」

---では、チーム全体の破壊力というよりも、イゴール選手の個人技の部分が大きいと?
中村「攻撃面ではそれはあると思いますね。ただ、守備の面に関しては、チーム全体の守備力という意味で、すごくいいディフェンスができていると思っています。恐らく、香港リーグのチームの中でも、見ていて面白い試合ができているチームじゃないかな。だから攻撃に関しては、ノリというか勢いというか。それとイゴールの個人技の部分が大きいと思います」
※Taipo FCでプレーするイゴール選手は、かつて、Jリーグ草創期に鹿島アントラーズジーコと共に大活躍し、CM出演などもあり、国民的知名度を誇ったアルシンドのご子息。

---中村選手は元々ストライカーの選手ですね。その中村選手から見ても、イゴール選手の攻撃的センスは素晴らしい、と?
中村「そうですね。ひとりで運べるし、周りも使えるし、ゴールも決めれる。とても頼りになる選手ですね」

---中村選手はCM(セントラル・ミッドフィルダーとして今季はプレーしており、プレー中もイゴール選手と絡むことが多いと思います。息は合っていますか?
中村「はい。彼とはすごくプレーしやすいですし、僕がボールを持ったら、はっきりと動き出してくれるので」

---中村選手とイゴール選手が、攻撃に関して、二人でよく話しをして、こうしていこう、ああしていこう、というようなコミュニケーションはありますか?
中村「いや。それはありません。でも感覚的にお互いやりやすいんだと思います」

---攻撃陣が非常に好調な今季のTaipo FCですが、チームが残りのシーズンを戦うにあたって、今のやり方を継続するのがいいのか、それとも、もっと改善しないといけないのか、どちらでしょうか?
中村「全然後者ですね。もうちょっと、どうやって攻めるのか、どうやってビルドアップするのか。それをもっと練習しないとだめですね。ただ、チーム練習ではあまり、そういうトレーニングをしないんですよね…。だから、選手間で話し合って変えていくしかないですけどね」

---中村選手個人としての改善策はありますか?
中村「ありますよ。」

---言える範囲で構いませんので、お伺いしてもいいでしょうか?
中村「まぁフォーメーションとか、守備とかはいじる必要はまったくないですね。攻撃面では、うちのチームはテクニックの高い選手が多くて、身体的には小さい。だから、そういう特徴を生かして戦っていくほうがいいと思っています」

---つまり、スピードやアジリティーを生かしたり、細かくつないだりする攻撃でしょうか?
中村「それもありますが、ゆっくり攻めるべきときはゆっくりになってもいいんですよ。別に速く攻めることを否定はしませんが、落ち着くべきときもあると思っています。チームとしてのその判断は、僕に委ねられているんですよね。それは光栄なことではあるんですが、同時に僕だけじゃなく、周りの選手一人ひとりもそういう状況判断ができるようにならないと、チーム攻撃として、もうひとつ上のレベルには行けないのかなとは感じています」

---そういった状況判断は、実戦で培われるものでしょうか?
中村「それもそうですし、そういうトレーニングをチームがすれば培われるものだし…。あとは、僕を見て学んでほしい、という部分もありますね」

---課題は残ったものの、この試合の勝利でサプリング杯のグループリーグ突破に大きく近づいたと思いますが、いかがですか?
中村「そうですね。2連勝できましたし、これで次勝てば、たぶんグループ突破が決まるだろうし。決まれば、その後の対戦予想をしながら準備もできますし。次も勝って、必ずグループを突破したいです。カップ戦は、うちのチームにとって、タイトル獲得の可能性が高い大事な戦いなので」

 
続く

 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.010 3 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.10
December, 2017
3 of 5

 

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---失点について、今季は昨季に比べて多いんですね。
中村「はい。得点も2.5倍くらいありますが、失点も倍くらいあると思います。今季は得点できる分、失点も許しているという感じです。うちは守備あってのチームだと思っていますので、この数字は改善しないといけないですね」

---昨季よりも失点が多い原因についてお伺いしたいのですが、今季はゴールも昨季より多いということで、単純に前に前に出て行くから、それに伴うリスクとしてチャンスを作られて失点が多くなっているのでしょうか。それとも、もっと他の原因があるのでしょうか?
中村「全体的な守備の意識が、昨季のほうが高かったと思います。それから、前線にタレントのある選手がいますし、前線の選手は昨季より確実に成長しています。それによって、必然的に、前に出て行く意識が強くなってしまっているのかな、と思いますね。それから、DFについても、去年よりも明らかにプレススタートするラインが高いですし。まぁ結局はバランスだと思うんですけどね。バランスがよくないな、と。ペガサス戦とかは、特にね」

---ゴールをより多く奪えるのは、当然チームにとっていいことですよね。そこで、ゴール数を減らすことなく、守備を改善して失点だけを減らすというのは、実現可能なタスクでしょうか?
中村「もちろん可能だとは思いますよ。ただ、うちのチームは、そのための練習をトレーニングの中で特にやるわけではないので、選手同士で改善していくしかないでしょうね。もっともっと細かいところは、話して詰めていかなきゃね、とは選手間で話しています」

---失点といっても、流れの中で、セットプレーから、あるいはオウンゴールなど、いろいろな形があります。ゴールの奪われ方という視点もあるわけですが、例えば、セットプレーからの失点を減らせば、もっと全体の失点数を減らせるなど、何か明確な改善点は見えているのでしょうか?
中村「今年ひとつ確実に言えるのは、くだらないミス、失点に直結してしまうミスが目立つという点です。これは、僕自身も含めてですけど。昨季はそういうミスがほとんどなかったといっていい。自分たちの力をしっかり認識して、相手をリスペクトしつつ、守備から入って、しっかり集中して守って、というのができていた。今季は練習の中でも不用意なミスが目立つので、練習から変えていかないといけないとは思いますね」

---不用意なミス、失点に直結してしまうミスが今季は多い。それを改善していくためには、試合だけでなく、練習のときから、しっかり意識しないといけない、ということでしょうか?
中村「そうですね。やっぱりトレーニングでしか変えていけないと思うので。今季、チームが昨季より強くなっていることは確実なんですよね。でもそこで忘れちゃいけないのは、Taipo FCというチームは、しっかり守って、走って、集中して。そういうところをがんばらなくちゃだめなんだ、という共通認識を選手全員が持たないといけないと思います。例えば、ミスをしたときも、自分が取り返すんだという強い姿勢を見せること。そういう、For the Teamのような気持ちを持ってプレーしていくことで、失点は減らせると思います」

---今季、これまで、不用意なミスから失点してしまったときに、チームのメンタルや雰囲気が下がってしまう、ということはありましたか?
中村「いや。それはそこまでないですね。失点しても、取り返すことが割りとできているので。もちろん、取り返しきれずに負けてしまった試合もありましたけど、メンタルが下がってしまうことはないですね」


続く

 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.010 2 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.10
December, 2017
2 of 5

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---この試合、Taipo FCは前半だけで3ゴールを奪って、3-0で快勝しました。中村選手は先発フル出場していますが、プレーしていて、余裕があったのではないですか?
中村「まぁ前半のうちに3点を取れましたからね。前半は確かに余裕はありました」

---前半は、というと、後半はどうでしたか?
中村「予想していたことではありますが、ユンロンも後半は攻勢に出てきて、それをしっかり受ければよかったのですが、相手にチャンスを結構作らせてしまったし、後半だけを見たら、3-0というスコアほどに差はなかったです。なので、よくない形で試合を終えてしまったのは反省点です」

---しかし、失点はゼロですね。
中村「はい。そこは評価できると思います」

---失点こそしなかったが、いい形で試合を終えることができなかったというのは、後半にユンロンが攻勢に出てきたときに、チームが引いてしまった、ということでしょうか?
中村「そうですね。ある程度自分たちでもDFを下げて、カウンターで、という意識はあったのですが、ユンロンの攻勢はそれ以上だったので、ボールの奪いどころがはっきりせず、奪えても後ろに人数をかけていたから、効果的なカウンターもできず、苦しい展開でしたね」

---前半で3点を取ったことで、後半は、失点するまでは、4点目を奪う必要もない。チームはそんな雰囲気だったのでしょうか?
中村「そういうわけではないです。このまま3-0で終わらせられればいいよね、というのは確かにありましたが」

---この試合は3-0で勝利していますが、以前のインタビューで「試合をクローズさせてしまう(相手の息の根を止めてしまう)追加点が取れないことが課題」とおっしゃっていましたね。でも、この試合は3点目まで奪いました。課題は克服されてきているのでしょうか?
中村「そうですね。うちのチームはDFからリズムを作るチームだと思うんですけど、2点目取ってからも、しっかり前線からの守備ができていたし、ボールも奪えていた。セットプレーのチャンスも作れていた。そういう意味で、11人が全員、しっかりと同じ方向を向いてプレーできていたのだと思います」

---3-0での勝利は素晴らしい結果です。その一方で、後半だけ見ると0-0です。中村選手にお伺いしたいのは、後半もアグレッシブに攻撃を仕掛けて、たとえ失点しても4-1や5-2というスコアで試合を終えるほうがいいのか、それとも、今回のように失点しないことを最優先に3-0で試合を終えるほうがいいのか。理想としてはどちらですか?
中村「個人的には失点したくないので、後者ですね。特に今季、うちのチームは昨季に比べて失点が多いんです。それだけに、この試合はクリーンシートで終えたいと思っていました。だから、たとえ5点、6点と得点を重ねたとしても、失点を許してしまうような試合展開だと、僕の中では価値が下がってしまいますね」 


続く

 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.10 1 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.10
December, 2017
1 of 5

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サプリング杯グループリーグ第3戦。
中村祐人がプレーするTaipo FCはユンロン(元朗)と対戦し、3-0で快勝。中村祐人も先発フル出場を果たしている。

試合後、祝福のメッセージをラインで送ると、「インタビューで語ったことを、プレーでしっかり表現できた」と喜びの返信をくれた。

中村祐人が語る「インタビューで語ったことを、プレーでしっかり表現できた」とは、「追加点を取りきって試合をクローズさせる」ことだ。この試合では、なんと前半だけで3点を取った。後半の戦い方に課題を挙げたものの、クリーンシートを達成し、3点目もしっかり奪い、快勝できたことは評価に値する。それを中村祐人は「しっかりプレーで表現できた」とコメントしたのだ。

それでは、この試合を中村祐人本人に振り返ってもらおう。そして、話題は今月初めに決定したロシアW杯の組み合わせについても及んだ。

続く

 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.09 5 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.09
November, 2017
 
5 of 5
 

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---ところで、元日本代表で、現在は沖縄SVで選手兼監督をしている、高原直泰さんが香港に来られていて、中村選手とも会っていましたね。
中村「はい。香港で会社を経営しているある日本人の方と高原さんが面識があるようで、それで香港に来ていたみたいです」
 
---一緒にお食事もされていましたが、いかがでしたか?
中村「いや。お恥ずかしいながら、子供時代に戻ってしまいましたね。高原さんはずっとスターだったし、オーラもありますし。とてもいい経験をさせてもらいましたね」
 
---どんな会話をされましたか?
「そんなにいろいろ質問したというわけではないんですが。サッカーのこととか、高原さんが現在やられている沖縄でのプロジェクトのこととかですね」
 
---高原選手も含む79年組は、中村選手にとって憧れの世代なんですよね。
中村「はい。ワールドユースの試合も全部見てましたし。あの世代の中では、私は小野伸二さんが一番好きではありますが、ずっと見てきた世代なので、僕にとっては特別ですね」
 
---話は変わりますが、日本では今、角界が揺れています。どんな風に感じていますか?
中村「ひとつ思ったのは、大相撲ってすごいなと感じたのが、警察の事情聴取は場所が終わってからでないと、みたいのがありましたよね?サッカー界はシーズン中だろうとそんなことはお構いなしで事情聴取するので、そこはすごいな、と」
 
---国技だけに、特殊な世界ですよね。
中村「貴乃花親方も、場所中は何もしゃべらないみたいですしね」
 
---ちなみに、中村選手は相撲は好きですか?見ますか?
中村「昔は見てましたね。最近は見てないです」
 
---今回の事件は、横綱という、土俵の上でも一般世間でも、その振る舞いに高貴な人格が求められる人物の暴力事件ということで、より大きな話題となっているのですが、サッカー界は横綱大関といった階級があるわけではないですし、同じスポーツの世界でも、角界とサッカー界とは異なると感じますか?
中村「相撲と、野球ももしかしたらそうかもしれませんが、サッカー界と比較すると、閉鎖的なのかな、とは感じますけどね。今回の件でも、貴乃花親方は、相撲界を変えようとしていろいろ動いていると思うんですけど、相撲協会の理事とか、相撲界のコメンテーターの中には、貴乃花親方を批判する人もいますもんね。そういうの見てると…すごいな、と。サッカー界のほうがオープンですよね」
 
---ちなみに、プロサッカー選手としてキャリアの長い中村選手は、プロ選手として日常の振る舞いに気をつけていることなどはありますか?
中村「僕はないですね。別に何か悪さするわけでもないですし、見られて困ることもないですし…全然ないですね(笑)」
 
---そうですか(笑)。今回もインタビューありがとうござました。次節、期待しています!
 
 
※インタビューの最後、中村選手は「そういえば、これから試合見ますか?」と聞いてくれた。浦和レッズがアジアを制したACL決勝セカンドレグのことを指している。中村選手は浦和レッズのジュニアユースとユースの経験がある。今回のインタビューのスケジューリングも、このACL決勝の試合時間に重ならないように配慮された。ご存知のように、浦和レッズは見事にアジア制覇を達成した。
 
 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.09 4 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.09
November, 2017
 
4 of 5
 

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---次の公式戦はSapling杯のグループリーグ第2節、元朗戦です。
中村「第1節でイースタンに勝っているので、次も勝てばグループ2位以内がぐっと近づくので、ここで決めてしまいたいな、というのはありますね。スケジュール的にも第3節までしばらく開いてしまうので、ここで勝って楽にしておきたいなとは思います」
 
---Senior Shield杯では元朗に敗れています。そのリベンジでもありますね。
中村「まぁ前回負けたことはもう忘れて、しっかり自分たちの展開に持ち込みたいですね。前線からの守備でどんどん引っ掛けて、ボールを奪ってからの速い攻め、ですね。ただし、リードする展開になった時には、前の試合の反省を生かして、しっかり試合を運んでいかないといけないですね」
 
---Taipo FCは昨季のSapling杯のチャンピオンで、つまり今季はディフェンディングチャンピオンとして臨んでます。今季は2連覇を賭けてのSapling杯ですが、そういうのは意識していますか?
中村「あんまり連覇という意識はないですね。むしろ、今、そう言われて気がついたくらいですし。それに、昨季とはレギュレーションが少し変わっているので、同じ大会であるという意識はそんなにないのかもしれませんね。ただ、カップ戦はリーグ戦とは違って、トップチームでないチームにも勝機がある大会なので、タイトルは狙っていきたいですね」
 
---チーム内には、Sapling杯のタイトルを取るぞ、というような明確な打ち出しはありますか?
中村「はい。あります。Sapling杯と、これから始まるFA杯。この二つのタイトルを取るぞ、という目標があります。特に、FA杯は優勝すれば来季、アジアの大会へつながるので、そこには特にプライオリティーを置いていますね」
 
 
続く
 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.09 3 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.09
November, 2017
 
3 of 5
 

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--2-2で前半を折り返して、後半を迎えました。ハーフタイムでは、中村選手はどんな後半の戦い方を考えていましたか?
中村「やり方としては、相手も一旦、落ち着くと思うので、僕らも必要以上にリスクを犯すのではなく、しっかりつなぎながら隙を探るという風に考えていました。ただ、後半、建て直してだいぶよくなったところで、僕が交代してしまったので…。残念でしたね」
 
--62分で交代しました。監督の意図はどこにあったんでしょうか?
中村「よくわからないですけど…。DFは変えられない、でも攻撃は活性化させたい。どこを変える?てなったときに、僕になってしまったのかな…わからないです」
 
---Taipo FCは後半頭から、選手を交代していますね。9番の袁振昇が投入されています。
中村「彼はFWの選手なんですが、FWの別の外国人選手を入れるために、彼が中盤をやることになって。でも彼は中盤をやったことのない選手なんですよね…。本当によくわからないです」
 
---後半、試合終了間際まで0-0で進み、アディッショナルタイムで痛恨の逆転弾を決められました。
中村「僕が交代していたから言うわけではないですけど、交代後は中盤(でのつなぎ)がなくなってしまっていたんですね。それが原因で守備のインテンシティも落ちてきていた。最後の失点の場面も、もちろんペガサスのゴールが素晴らしかったというのもありますが、中盤でボールを奪うチャンスもあったのに、ゴール前まで運ばれてしまいました」
 
---そして、2-3で負けてしまいました。
中村「こういう試合は勝ち点を最低でも1(つまり引き分け)は取っておかなきゃいけないんですけどね…」
 
---これまでの試合を振り返っても、中村選手が交代してベンチに下がると、途端にチームは中盤でのつなぎの部分で難しくなってしまいますよね。いわば、中盤を省略してしまうようなゲーム運びになる。監督は、中盤を省略してでもいいから、チーム状況を変えたいということなんでしょうか?
中村「まぁそうなんでしょうね…。こればかりは、私はどうしようもないので」
 
---この試合を改めて振り返ると、前半30分までに2-0とリードしながら、勝てなかった。このあたりは、そういう試合展開でも、スコアをひっくり返してしまうペガサスの強さなのか、それとも勝ちきれないTaipo FCの未熟さなのか。そのバランスはどうですか?
中村「どっちもあると思います。ペガサスはすごい意地を見せてきましたしね。うちのチームも未熟さを露呈してしまった。特にうちは若い選手が多くて、試合の要所でもっと執念を見せてプレーしないといけないなというのは感じました」
 
---試合には敗れたものの、あえてポジティブな要素を挙げるとすると、リーグ戦は傑志とペガサスに敗れていますが、負け方という意味では、どちらの試合も、むしろ勝つチャンスがあったなかで、惜しくも負けている。リーグの優勝候補に対して、そういう試合展開ができているという事実は、すごくポジティブだと思うのですが、いかがですか?
中村「うーん…。ペガサスには勝っておきたかったっていうのが本音ですけどね…。まぁリーグ優勝は傑志が濃厚ですし、Taipo FCとしては、リーグでしっかり戦いながら、カップ戦でタイトルを狙っていきたいところですね。もちろん、リーグ戦も大切なので、毎試合ごとに、選手ひとりひとりが、自分に与えられた役割をしっかりやっていくことが大切になってくると思います」
 
 
続く
 

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