【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中国が発信している情報を偏見なく紹介します。その他、趣味のサッカー(ガンバ大阪/清水エスパルス/バルセロナ)やお酒の話題など。

【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.09 5 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.09
November, 2017
 
5 of 5
 

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---ところで、元日本代表で、現在は沖縄SVで選手兼監督をしている、高原直泰さんが香港に来られていて、中村選手とも会っていましたね。
中村「はい。香港で会社を経営しているある日本人の方と高原さんが面識があるようで、それで香港に来ていたみたいです」
 
---一緒にお食事もされていましたが、いかがでしたか?
中村「いや。お恥ずかしいながら、子供時代に戻ってしまいましたね。高原さんはずっとスターだったし、オーラもありますし。とてもいい経験をさせてもらいましたね」
 
---どんな会話をされましたか?
「そんなにいろいろ質問したというわけではないんですが。サッカーのこととか、高原さんが現在やられている沖縄でのプロジェクトのこととかですね」
 
---高原選手も含む79年組は、中村選手にとって憧れの世代なんですよね。
中村「はい。ワールドユースの試合も全部見てましたし。あの世代の中では、私は小野伸二さんが一番好きではありますが、ずっと見てきた世代なので、僕にとっては特別ですね」
 
---話は変わりますが、日本では今、角界が揺れています。どんな風に感じていますか?
中村「ひとつ思ったのは、大相撲ってすごいなと感じたのが、警察の事情聴取は場所が終わってからでないと、みたいのがありましたよね?サッカー界はシーズン中だろうとそんなことはお構いなしで事情聴取するので、そこはすごいな、と」
 
---国技だけに、特殊な世界ですよね。
中村「貴乃花親方も、場所中は何もしゃべらないみたいですしね」
 
---ちなみに、中村選手は相撲は好きですか?見ますか?
中村「昔は見てましたね。最近は見てないです」
 
---今回の事件は、横綱という、土俵の上でも一般世間でも、その振る舞いに高貴な人格が求められる人物の暴力事件ということで、より大きな話題となっているのですが、サッカー界は横綱大関といった階級があるわけではないですし、同じスポーツの世界でも、角界とサッカー界とは異なると感じますか?
中村「相撲と、野球ももしかしたらそうかもしれませんが、サッカー界と比較すると、閉鎖的なのかな、とは感じますけどね。今回の件でも、貴乃花親方は、相撲界を変えようとしていろいろ動いていると思うんですけど、相撲協会の理事とか、相撲界のコメンテーターの中には、貴乃花親方を批判する人もいますもんね。そういうの見てると…すごいな、と。サッカー界のほうがオープンですよね」
 
---ちなみに、プロサッカー選手としてキャリアの長い中村選手は、プロ選手として日常の振る舞いに気をつけていることなどはありますか?
中村「僕はないですね。別に何か悪さするわけでもないですし、見られて困ることもないですし…全然ないですね(笑)」
 
---そうですか(笑)。今回もインタビューありがとうござました。次節、期待しています!
 
 
※インタビューの最後、中村選手は「そういえば、これから試合見ますか?」と聞いてくれた。浦和レッズがアジアを制したACL決勝セカンドレグのことを指している。中村選手は浦和レッズのジュニアユースとユースの経験がある。今回のインタビューのスケジューリングも、このACL決勝の試合時間に重ならないように配慮された。ご存知のように、浦和レッズは見事にアジア制覇を達成した。
 
 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.09 4 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.09
November, 2017
 
4 of 5
 

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---次の公式戦はSapling杯のグループリーグ第2節、元朗戦です。
中村「第1節でイースタンに勝っているので、次も勝てばグループ2位以内がぐっと近づくので、ここで決めてしまいたいな、というのはありますね。スケジュール的にも第3節までしばらく開いてしまうので、ここで勝って楽にしておきたいなとは思います」
 
---Senior Shield杯では元朗に敗れています。そのリベンジでもありますね。
中村「まぁ前回負けたことはもう忘れて、しっかり自分たちの展開に持ち込みたいですね。前線からの守備でどんどん引っ掛けて、ボールを奪ってからの速い攻め、ですね。ただし、リードする展開になった時には、前の試合の反省を生かして、しっかり試合を運んでいかないといけないですね」
 
---Taipo FCは昨季のSapling杯のチャンピオンで、つまり今季はディフェンディングチャンピオンとして臨んでます。今季は2連覇を賭けてのSapling杯ですが、そういうのは意識していますか?
中村「あんまり連覇という意識はないですね。むしろ、今、そう言われて気がついたくらいですし。それに、昨季とはレギュレーションが少し変わっているので、同じ大会であるという意識はそんなにないのかもしれませんね。ただ、カップ戦はリーグ戦とは違って、トップチームでないチームにも勝機がある大会なので、タイトルは狙っていきたいですね」
 
---チーム内には、Sapling杯のタイトルを取るぞ、というような明確な打ち出しはありますか?
中村「はい。あります。Sapling杯と、これから始まるFA杯。この二つのタイトルを取るぞ、という目標があります。特に、FA杯は優勝すれば来季、アジアの大会へつながるので、そこには特にプライオリティーを置いていますね」
 
 
続く
 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.09 3 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.09
November, 2017
 
3 of 5
 

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--2-2で前半を折り返して、後半を迎えました。ハーフタイムでは、中村選手はどんな後半の戦い方を考えていましたか?
中村「やり方としては、相手も一旦、落ち着くと思うので、僕らも必要以上にリスクを犯すのではなく、しっかりつなぎながら隙を探るという風に考えていました。ただ、後半、建て直してだいぶよくなったところで、僕が交代してしまったので…。残念でしたね」
 
--62分で交代しました。監督の意図はどこにあったんでしょうか?
中村「よくわからないですけど…。DFは変えられない、でも攻撃は活性化させたい。どこを変える?てなったときに、僕になってしまったのかな…わからないです」
 
---Taipo FCは後半頭から、選手を交代していますね。9番の袁振昇が投入されています。
中村「彼はFWの選手なんですが、FWの別の外国人選手を入れるために、彼が中盤をやることになって。でも彼は中盤をやったことのない選手なんですよね…。本当によくわからないです」
 
---後半、試合終了間際まで0-0で進み、アディッショナルタイムで痛恨の逆転弾を決められました。
中村「僕が交代していたから言うわけではないですけど、交代後は中盤(でのつなぎ)がなくなってしまっていたんですね。それが原因で守備のインテンシティも落ちてきていた。最後の失点の場面も、もちろんペガサスのゴールが素晴らしかったというのもありますが、中盤でボールを奪うチャンスもあったのに、ゴール前まで運ばれてしまいました」
 
---そして、2-3で負けてしまいました。
中村「こういう試合は勝ち点を最低でも1(つまり引き分け)は取っておかなきゃいけないんですけどね…」
 
---これまでの試合を振り返っても、中村選手が交代してベンチに下がると、途端にチームは中盤でのつなぎの部分で難しくなってしまいますよね。いわば、中盤を省略してしまうようなゲーム運びになる。監督は、中盤を省略してでもいいから、チーム状況を変えたいということなんでしょうか?
中村「まぁそうなんでしょうね…。こればかりは、私はどうしようもないので」
 
---この試合を改めて振り返ると、前半30分までに2-0とリードしながら、勝てなかった。このあたりは、そういう試合展開でも、スコアをひっくり返してしまうペガサスの強さなのか、それとも勝ちきれないTaipo FCの未熟さなのか。そのバランスはどうですか?
中村「どっちもあると思います。ペガサスはすごい意地を見せてきましたしね。うちのチームも未熟さを露呈してしまった。特にうちは若い選手が多くて、試合の要所でもっと執念を見せてプレーしないといけないなというのは感じました」
 
---試合には敗れたものの、あえてポジティブな要素を挙げるとすると、リーグ戦は傑志とペガサスに敗れていますが、負け方という意味では、どちらの試合も、むしろ勝つチャンスがあったなかで、惜しくも負けている。リーグの優勝候補に対して、そういう試合展開ができているという事実は、すごくポジティブだと思うのですが、いかがですか?
中村「うーん…。ペガサスには勝っておきたかったっていうのが本音ですけどね…。まぁリーグ優勝は傑志が濃厚ですし、Taipo FCとしては、リーグでしっかり戦いながら、カップ戦でタイトルを狙っていきたいところですね。もちろん、リーグ戦も大切なので、毎試合ごとに、選手ひとりひとりが、自分に与えられた役割をしっかりやっていくことが大切になってくると思います」
 
 
続く
 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.09 2 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.09
November, 2017
 
2 of 5
 

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---とても残念な試合展開でした。まずは、ご自身の先制ゴール(前半7分)を振り返っていただけますか?
中村「試合の立ち上がりは、チームとして、前でボールを奪って、サイドに展開して、シンプルにボールを入れようという意識でした。そんな中、イゴール(18番)がワンツーで相手GKまでかわしてくれて。僕はそれを決めるだけでしたね」
 
---立ち上がり、わずか7分に先制点というのは、まさに理想の展開ですね。
中村「そうですね。特に守備の部分がよかったです。前から引っ掛けることができていたし、後ろ(DF)も前線の守備にしっかり連動できていたので、相手からすれば、スペースがなく、戦いづらかったんじゃないですかね」
 
---この試合の立ち上がりは、リスクを犯さずに、まずは守っていこうという共通認識でしたか?
中村「いえ。この試合は前半からむしろリスク犯してでも前に行こうというプランでした。そういう意味では、プラン通りの試合展開でしたね。先制点の後、2点目を取ることもできましたし。ただ、その後のチームとしての戦い方にちょっと課題がありましたね。2点先制していただけに、そこは反省点です」
 
---2点目は29分。相手のオウンゴールでした。
中村「イゴール(18番)のシュート性のクロスが相手に当たって入ったゴールでした」
 
---前半29分までに、強豪ペガサス相手に2-0とリード。これほど理想的な展開はありません。ただ、先ほど、この後にの戦い方に課題があるとおっしゃいました。具体的には、どんな戦い方だったのでしょうか?
中村「ひとつは、チーム内で3点目を取りたい選手と、2点取って少し落ち着きたい選手と、ふたつに別れてしまったこと。もうひとつは、相手の1点目ですが、シーズンに1本、出るか出ないかくらいのスーパーシュートを決められたことで、気持ちが引いてしまった選手がいたことです」
 
---チームは34分に1点を奪われた後、立て続けに2点目を決められてしまいます(38分)。
中村「相手の2点目は、うちのDFとGKの連携ミスから奪われたゴールでした」
 
---チーム内の意思統一と相手のスーパーゴールで、ペガサスに付け入る隙を与えてしまった、と。
中村「僕みたいに経験のある選手が、どういう戦い方をするのかという指針を、チームに与えることができなかったのが原因かな、とも感じています」
 
---中村選手は、3点目を取りたかったのか、チームを落ち着かせたかったのか、どちらでしたか?
中村「僕はどちらかといえば3点目を早めに取りたかったですね。でも、後ろ(DF)が落ち着きたい感じだったのが伝わってきたので、中盤でプレーするものとしては、バランスを気にしながらやっていました」
 
---中村選手はバランスを取りつつプレーしていたが、チーム全体の意思を統一させるまでには至らなかった、と?
中村「はい。前線(FW)の選手は、3点目を取りに行きたがっていて、でも後ろが連動できなくなり始めて、FWが前に出て空いたスペースを相手に付かれるようになりました
 
---早々に2失点して、ペガサスも焦っていたのではないでしょうか?
中村「それはありましたね。ただ、相手の1点目が本当に、うちにとっては事故みたいなものだったんですが、あれで相手が勢いに乗って、うちが気落ちしちゃった部分もありましたね。もっとボールをつなげればよかったんですけど、逆にオープンな展開にしてしまったのも、よくなかったです」
 
---サッカーは1チーム11人で行うスポーツで、試合展開によって戦い方が変わります。その中では、たとえ同じチームの選手間でも、戦い方に違いが生じる状況もあります。そんなときは、やはり、チームの中で、意思統一を計っていく選手が必要なのでしょうか?
中村「必要ですね。サッカーは相手あってのスポーツでもあるので、試合展開だけでなく、相手の出方によってもチームの戦い方を考える必要があります。そういう時に、特に若い選手は、しっかり意思統一できないこともあるので、そういう時に、僕みたいな(経験豊富な)選手が声をかけていく必要はありますね。試合後には話をしたんですが、試合中にも、声をかけていかないといけないかなと思います」
 
 
続く
 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.09 1 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.09
November, 2017
 
1 of 5
 

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「2点目を取り切るってことですね。2点目を取ってゲームをクローズさせてしまう。次節は強豪・ペガサス戦ですし、そこをしっかりできなかったことが課題ですね」
 
前節、難敵サザンをアウェーで1-0で破った後のインタビューで、中村祐人はそう語っていた。追加点を取りきって、相手に止めを刺し、ゲームを終わらせてしまう。それが課題だと。だが、奇しくもそのペガサス戦で、中村祐人が懸念していた課題が再出してしまう。
 
香港プレミアリーグ第7節。Taipo FCは強豪ペガサスと対戦。2-3で敗れた。自らゴールを決め、相手のオウンゴールで追加点を奪い、前半30分までに2-0とペガサスを突き放す理想の展開。スコアと試合展開的には勝っておかなければならないこの試合。しかし、サッカーの女神は気まぐれだった。そして、中村祐人自身も62分で交代となった。
 
翌日には、Sapling杯のグループリーグ、元朗戦を控えたタイミングで、中村祐人はインタビューに応じてくれた。話はペガサス戦以外にも、79年組、角界ACL決勝にまで及んだ。
 
続く
 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.08 5 of 5

Dialogue with Yuto Nakamura No.08

November, 2017

 

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---前回、中村選手自身の「リバウンド・メンタリティー」についてお話を聞きましたが、チームとしてのリバウンド・メンタリティーをあげていくには、どうしたらいいのでしょうか?
中村「今季のうちのチームは、そういう意味では、骨太なやつがそろってますから、いい方向に向かっていくんじゃないかと思っていますけどね」

---「骨太」というのは、例えば先制されても逆転に向かっていく強さとか、追い込まれてもはじき返す強さとかだと思いますが、やっぱりそういう選手がたくさんいるチームは、チームのリバウンド・メンタリティーが強くなるのでしょうかね?
中村「はっきりとは言えませんが、今季のうちのチームで言えば、言葉にしなくとも、自然とそういうメンタルを表現できる選手が多いのは確かですね」

---確かに、中村選手は前回のインタビューで、『このチームは何かスペシャルなものがあるわけではない。負けて、悔しい思いをして、這い上がってきたチームだから』という話をされていました。これこそ、まさにリバウンド・メンタリティーですね。
中村「うちはそういうカラーのチームですよね」

---わかりました。今回も誠にありがとうございました!次節も期待しています!

 

 

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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.08 4 of 5

Dialogue with Yuto NakamuraNo.08

November, 2017

 

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---ちなみに、このサザン戦の前のイースタン戦で中村選手はゴールを決めました。サザン戦でもゴールを決めてやる、という意識はありましたか?
中村「チャンス見てっていうのはもちろんありました。ただ、CMで一緒に組んでる選手が割りと前へ行くので、僕はバランスを最優先していました」

---サザン戦に限らず、中村選手自身が、CMの位置から、積極的にゴール前へ顔を出していくという意識はあまりないですか?
中村「意識としてはありますが、やっぱり中盤だから後ろのことも考えないといけないし。本当にバランスを見て、って感じです」

---中村選手が前に出る回数が多くなると、バランスが崩れてしまう、と?
中村「まぁ(後ろが)なんとかしてくれるんでしょうけどね。まだ少しそこは様子を見て、試行錯誤をしている感じですね」

---「ほら見ろ!中村選手がスタメン復帰したら、2連勝したじゃないか!」と、ファンとしてはドヤ顔なんですが、いかがですか?(笑)
中村「まぁ多少はそういう思いもありますけどね…。でもだからといって、それで(スタメン落ちした)傑志戦の結果が変わるわけではないのでね。まぁいいタイミングで先発して、チームにいい流れをもたらすことができたんじゃないかな?くらいに思ってます」

---これで先発に定着できそうだと感じていますか?
中村「どうですかね。代表ウィークが入ってきて、次の試合まで少し時間が空きますし。それまでに、またいろいろチームとしても事情が変わるでしょうから…。どうなるのかな、って感じです」

---でも、ここまではっきり、中村選手の先発/不先発で結果が変わるというのは、とても面白い現象です。
中村「そうですね。まぁここ2試合に関しては、自分でもいい流れを作れているなと思っています」


続く

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