【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中村祐人、コラム【縦横無尽】、ビール、アメリカ、中国etc

カップ戦決勝直前!中村祐人独占インタビュー 5 of 5

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かつて、中村祐人は語っていた。

「いつまでもFWでプレーできるとは思えない。いずれはポジションを下げてプレーしたいと思う。また、そういう選手が少ない香港では、香港代表になれるチャンスもあると思う」

テレビ東京系列の番組「FOOT×BRAIN」をご覧になった方はご存知だと思う。彼が、本気で香港代表を目指していることを。

今回、その点についての決意を改めて聞いてみた。

「恵まれた体格や、ずば抜けたスピードがなくても、僕みたいなプレースタイルで香港代表になれるんだってことを、代表を目指す子供達に伝えられたらって思いますね」

ここから、話は「すごいのに評価されにくい選手」の話題になった。私が思うに、中村祐人という選手はまさにそういうタイプの選手だ。大きい、速い、巧いなどは、その凄さが分かりやすい。しかし、決してそういう目立ち方はしないものの、それでもチームに欠かせない存在の選手はいる。そういう選手をなんと表現すべきなのか。

「サッカーIQが高い選手」

中村祐人はそう表現した。「あいつ、でかいな」でも、「あいつ、速いな」でも、「あいつ、巧いな」でもない。「あいつ、サッカー知ってるな」と言われる選手。事実、中村祐人も周囲から「お前は今までプレーしてきた中で一番サッカーIQが高い」とチームメイトから言われるのだという。

私はさらに突っ込んでみた。

「サッカーを知っている選手とは、どんな選手ですか?」

すると返ってきた答えはこうだ。

「必要な時に必要なことをする。不必要な時に不必要なことをしない選手」

でも、サッカーはその時の順位やチーム状態、その日の天候や芝の状態、試合に出ているメンバーや対戦相手との実力差、さらにはその日のレフェリーのクセや、すでに味方の選手がイエローを一枚もらっている…などなど、挙げだしたらきりがないくらいにいろんな要素がある。それなのに、いちいち考えていたら瞬間の判断などできない。私がそういうと、中村祐人は、

「だからこそ、考えずとも動ける選手でなくてはダメなんですよ」と答えた。考えずとも、必要な時に必要な動きをして、不必要な時に不必要な動きをしない、そんな選手。

私の質問は続いた。

「では、どうやったら、サッカーIQを高められますか?」

「サッカーを見ることですね。やるだけじゃ上達しない。僕自身、小さい頃から、JリーグセリエAなんかをたくさん見てきた。その中で自然と、頭のいい選手はこうやって動くんだなと学んでいたと思います。見て、真似て、やってみる。それが上達する上で大切だと思います」

プロサッカー選手を目指している子供たちにはぜひとも耳を傾けてほしい内容である。

実は、この後も話は盛り上がり、私は中村夫人のある言葉で、彼が日頃から実践している「あること」を発見した。そして、それはかのイチロー選手も実践していることだった。中村祐人自身は「いやいや。イチロー選手と僕じゃ」と謙遜したが、しかし原理原則は同じだ。プロスポーツという厳しい世界で生き抜いてきた者たちが実践しているもの。私は、今度はぜひそのテーマでインタビューを取らせてほしいとリクエストした。中村祐人は、ただただ、謙遜しただけだった。その内容については、インタビューが実現した時にお届けするとしよう。

インタビューを終えた私は、香港市内を走る二階建てバスに揺られながらホテルへの帰途についていた。シーズンオフになったら、一緒に温泉に行きたいですねと語ってくれた中村祐人の姿が目に浮かぶ

これまで、私は「取材対象とは近づきすぎるべからず」を自分に強いてきた。仲良くなりすぎると、記事に私情が入ったり、冷静な判断が下せなくなることがあるからだ。しかし、今回のインタビューでは、自然とそうした自己規制が精神的に解かれていったことに気が付いた。たとえ相手が取材対象であろうと、何度も会い、何時間も同じ時を過ごせば、人間、自然と親しくなる。僭越ながら私は、今回のインタビューで、中村祐人との間にそんな「自然な人間関係の発展」を感じることができた。

最後に、インタビューに応じてくださった中村祐人選手に。そして雰囲気も含めて最高に美味しいタイ料理レストランを手配してくださった中村夫人に、御礼申し上げます。

5度目のタイトル挑戦へ、いざ!

Sapling cup決勝

5月3日の

15:00(香港時間)キックオフ

和富大埔vs香港飛馬

東網香港(オンライン)でライブ放送!