【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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【3 of 5】2016年末スペシャル「FOOT×BRAIN出演直後の中村祐人を独占取材! 10000字インタビュー」

2016年 年末スペシャ

「FOOT×BRAIN出演直後の中村祐人を独占取材! 10000字インタビュー」

聞き手:松本忠之

3 of 5

—チームのフォーメーションは3-5-2です。最近はあまり見かけなくなったフォーメーションですね。

中村「香港だと、特に見ないフォーメーションですね。ただ、それだけに、逆に相手がうちに合わせづらいというのはあるでしょうね。守備になれば両サイドが下がって5バックになる。攻撃時は、うちの両サイドは高い位置を取るので攻撃の枚数が4枚、5枚になったりする。それが今は相手チームがやり辛く感じているみたいですね。まぁ今後は相手も研究してくるでしょうから、どうなるかわかりませんが」

—2トップの最大の特徴は、相手CBが2枚なら、そこで数的同数を作れることです。でも、今日の試合ではそういう展開はあまりなかったですね。

中村「今日に関して言えば、相手のCBが2枚ともローカル選手(身長や体格では外国人選手よりも劣る)だったんですね。で、うちには高くて強いルーカスがいる。だから相手の中盤を飛び越してルーカスに当てよう、という戦術でしたね」

—今日の試合は前半、シュートまで持ち込める展開が少なかったですよね。前半のシュートは一本のみ。ハーフタイムの時、後半は自分の出場があるなと感じていましたか?

中村「いや。そこは半々でしたね。前半ですでに一人換えていて、交代枠のこともあったし(前半42分に8番の李嘉耀選手が負傷交代)。中盤がオーガナイズされてなかったから、中盤の外国人選手を入れるのかな、とも思っていたし」

—そして実際に出場することになりました。監督から声がかかった時は、中盤とFWのつなぎ役、そしてルーカス選手のセカンドボールを拾うこと、主にその二つを頭に入れてピッチに入ったんでしょうか?

中村「いや、これ、どうしようかな…って感じでしたね(苦笑)」

—前半のチーム状態が悪かったからですか?

中村「そうです。というか、最悪でしたよね。今季の他の試合を振り返ってみても、よくなかったですし、それに前半だけでなく、後半も結局、僕とルーカスで点取ったみたいなものですからね」

—チームとしては、攻撃面でもっと目指すべきところがあって、今日の試合のように、勝利したとは言え、中村選手とルーカス選手の個人技頼みの攻撃を目指しているわけではない、と?

中村「そうです。もし、そうなら、僕は常にスタメンのはずですから」

—確かにそうですね。

中村「ただ、うちのチームの選手の特徴として、遊び心がないというか。まぁサッカーを知っている選手が多くないというのもあるんですが…10の力に対して10で行ってしまうというか…真面目な選手が多いんですよね、うちは」

—なるほど。真面目な選手は多いが、遊び心を持った選手は多くない、と。

中村「だから、ひとつの攻め方で相手を崩せない時に、それに代わる選択肢を見いだせないんですね。僕に遊び心があるかどうかは別として、僕ならそこに他の選択肢があることを示せるんですよ」

—今日の試合を見ていて、中村選手は落ち着きというか、余裕があるな、と。ボールの受け方ひとつにしても、周りを見てどこでどう受けるのか、相手を引き付けてから受けるのか、もらいに行くのか、そういうひとつひとつのプレーで余裕を感じました。あれはやはり長年のキャリアのなせる技ですか?

中村「技術ですね。以前にも言いましたが、私はずば抜けた身体能力の持ち主ではないので、頭を使ってプレーしなければ生き残れないんです。わざとファウルをもらいにいくプレーとかね。そういう部分で技術を磨いてきたからだと思いますね」

—チームは開幕から9試合を終えて4勝3敗2分の勝ち点14という成績です。昇格組としては、とてもいい成績だと思いますが、どうですか?

中村「出来すぎっていうくらいじゃないですかね。このチームは若手とベテランがうまく融合しているし、しかもメンバーを変えながらもここまでの成績を残せている。若い選手が多いチームなので、その意味でもまだまだ伸び白はあると思いますね。だから負けることを恐れず、負けても次があるっていうくらいのメンタルで、どんどん上を狙っていけばいいと思います」

—次は傑志との対戦です。傑志なり、昨季チャンピオンのイースタンなり、強豪チームから勝ち点3を獲得するためには、どんな戦い方をすればいいのでしょうか?

中村「うちはボールをポゼッションしてくるチームに対して弱さを露呈する傾向があります。前節の元朗戦なんかそうだったし(0-3で大敗)、今日の前半もそうでしたよね。それでも、前半を無失点で折り返せば、勝機は出てくる。だから、うちの中盤の三枚がどれだけ相手のポゼッションに対して踏ん張れるか、じゃないですかね。それと、攻守のバランスだと思います」

—逆に言うと、先制されてしまうと厳しいということですか?

中村「どうですかね…うちは先制された試合ってそんなに多くないんです。リーグ戦でいうなら、イースタン、サウスチャイナ、元朗かな。そこは1分2敗なんで…そうですね。やっぱり前半を無失点に抑えることが重要ですね。それに、うちが強豪相手に2点以上取れるかっていうと、それもなかなか難しいので、やはりいかに最少失点に抑えるかがポイントだと思いますね」