【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中村祐人、コラム【縦横無尽】、ビール、アメリカ、中国etc

アザールの行為は非難されるべきものか?

イングランド・オランダ・日本・中国の各国の指導者ライセンスを所持するサッカースクール!

小松英之の連載がブログで紹介されました!

事件のあらましはこうだ。

1月23日。

イングランドプレミアリーグのカップ戦準決勝セカンドレグ。

チェルシーvsスウォンジー

チェルシーはファーストレグを02で落としているため、この試合では3点差以上つけなければ勝てない。そんな状況の中、試合は00で後半途中まで進む。あせるチェルシー。事件が起きたのは後半33分だった。

ボールがラインを割る。早くプレーを再開したいチェルシー。そこでアザールがボールを拾いに行ったが、なんと素早くボールを選手に戻すべきボールボーイ(17歳)が、なんと倒れこんでボールを抱え込んだ。明らかな時間の浪費。すると、次の瞬間、会場が騒然となる。なんと、チェルシーアザールが、あろうことか、ボールボーイの青年を蹴ったのだ。

これを受けて、主審はアザールにレッドカード。一発退場。才能溢れるベルギー代表に一体何が起きたのか。試合は続行され、10人になったチェルシーはなすすべなく、準決勝で格下に敗退した。

試合後、この件について様々な事実が判明した。

まずアザールは、青年の腹部の下にあるボールを蹴ったのであり、青年を蹴ったわけではないこと。しかし、この行為に青年が反応し、あたかもアザールに蹴られたかのようなリアクションを取ったこと。

また、ボールボーイの少年は試合前にチャンスがあれば遅延行為を実行することをツイッターで予告していたこと。さらに、この青年はスウォンジーの幹部の息子であることなどだ。

17歳ならば、そのくらいの悪智慧はあろう。

振り返ってみれば、アザールはむしろ被害者のようにも見える。

敵将であるラウドルップ監督でさえ「私も選手だったから、(アザールの)いら立ちは分かる」と理解を示すほどだ。

ただ、やはりプロ選手として、やってはいけない行為だった。

こういうことは実に難しい。プロ、プロとはいうが、ひとたび公式戦のピッチに立てば、選手は勝利だけを求めて全身全霊を捧げて戦う人間と化す。そこには多分に動物的、あるいは本能的な要素が含まれており、日常のテンションとは異なる状態にある。だからこそ、観客が「なぜ?」と思うような行為でも、時に起こってしまうのだ。

勝利を求めてプレーを再開させようと、腹部下のボールを蹴った行為は、選手としてはとっさの判断で出てしまったものだが、しかしそれは、結果的には社会的に認められないものだった。だから、一発退場になり、試合後も問題となった。

つまりは、業務上過失のようなものなのだろう。

アザールにはFAから処罰が下される可能性も取り沙汰されている。

しかし、17歳の青年は怪我もなく、試合後、反省してアザールに謝罪したというし、アザールもその場で謝罪したという。つまりは、傷害もなければ双方で和解も成立した状態。

どうか、アザールにはなんの処罰も下さないでほしい。

<筆:小松英之>

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