ミランの試合放棄は是か非か
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小松英之の連載がブログで紹介されました!
事の顛末はこうだ。
1月4日。ACミランが4部のチームと親善試合を行った。
そこで、相手チームのサポーターが人種差別のチャントを繰り返した。それに激怒したミランのMFボアテング(ガーナ)がボールをスタンドに蹴り込むと、そのままピッチを去ってしまう。ミランはこれを支持し、試合再開を拒否。そのまま試合は放棄された。
これには賛否両論あがっている。
主な意見は以下だ。
賛成派…人種差別行為はどんな状況下でも許されない。たとえこれが欧州CLや国際試合だったとしても、同じ行為を取るべき。
反対派…人種差別行為を行っていたのは一部の心ない人間。その他大勢はミランのスター選手を見たがっていた。人種差別行為は許されないが、試合は続行すべきだった。
賛成派はミランの会長や監督、チームメイトなどだ。
一方の反対派には元ミランのセードルフや同じく元ミランのガットゥーゾなどである。
あくまで個人的な意見だが、私は試合放棄に賛成である。
スポーツは政治や思想、差別など、イデオロギーに影響されるべきではない。確かに人種差別行為は一部の人間だろうが、そういう一部の人間が原因で大多数の一般的サポーターにも迷惑がかかるという現実が、差別をなくしていく一つの方途になりうる。
また、スポーツの場でそういう行為を放置しておけば、そういう連中はつけ上がってしまうだろう。断固として戦わなければならない。
今回の件に関して言えば、問題のチャントを繰り返していた連中を退場にしてから試合再開など、いろいろな対策もできただろうが、ミランのようなビッグクラブが断固たる態度を取ったことで、このニュースが全世界に伝わった。その影響力を考えても、今回のミランの措置は評価できる。
サッカーが世界に投げかけたメッセージとして、人種差別という偏見がなくなっていってほしい。
<筆:小松英之>
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