【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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【縦横無尽】南北首脳会談に思う

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180428-00000032-jij-kr

朝鮮半島の南北首脳が会談した。
これに対して、やれ「北の演出」だの、「中国の思惑通りの演出」だのと揶揄する声もある。つくづく、低レベルだなと思う。
演出がないとは言えない。ただし、演出だとしても、互いのトップが友好ムードで対話をしたこと、そのものが、すでに貴重な一歩である。
はっきり言って、今回の対話が「演出」だというなら、北が日本海オホーツク海に落としたミサイルだって「演出」である。演出でなかったら、東京か大阪を狙うことだってできるからだ。陸地を狙わず、わざと海に落とすことは、それ自体がすでに演出である証拠である。では、同じ演出でも、「対話」と「ミサイル」だったら、どちらが日本、または国際社会にとって有益か。
今回の対話を演出にして、北が自国に優位な方向に持っていく?それの何が悪い?である。朝鮮半島に関わる国々のリーダーと外交官は、100%北の狙い通りにされるような馬鹿ではない。そもそも、狙いのない外交などない。相手の狙いに対して、牽制と防御のバランスを取りながら、落としどころを見つける。それが外交だ。
一方的にミサイルを打ってくる演出より、友好と平和の対話を行う演出のほうが、どれだけ「真の友好と平和」につながっていくか。そこを考えずにヒステリックに「演出」だと騒ぐのは、愚かとしか言いようがない。
時間稼ぎが必要なら、稼がせておけばいい。金正恩委員長は、先月には北京で習近平首席に会った。今月は韓国の文在寅大統領、そして来月か再来月には「世界のボス」の登場である。ちょうど私は今、アメリカにいる。アメリカ人の友人は「今日現在、アメリカにとって最大の外交課題は、化学兵器のシリアでも、貿易戦争の中国でもなく、北朝鮮だ」と語っていた。それだけ、一般アメリカ人にも、北の問題が浸透しているということだ。ならば、このタイミングを置いて距離を縮める機会はない。演出だろうと、時間稼ぎだろうと、それも含めて一気に持っていけばいい。守るべきは平和であり、友好であり、庶民の生活と生きる権利であろう。そこを脅かす「ミサイル」とは真逆の「対話」を立て続けに行っていることを、見落としてはならない。
仏教では、「連帯は善」「分断は悪」と説く。

 

 

中国人は「反日」なのか: 中国在住日本人が見た市井の人びと

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