【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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4-1快勝!和富大埔の中村祐人「前半で決められたのがよかった」

「FOOT×BRAIN出演直後の中村祐人を独占取材! 10000字インタビュー」

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「勝ててよかったです。ただ、めちゃくちゃきつかった。後半の途中から足痛めて運動量が落ちたので、そこは課題ですけど、前半に勝負を決められたのでよかったです」

初めて記事を書いてから2年以上になるが、アメリカから中村祐人のプレーを(オンラインで)ライブ観戦し、さらに試合終了直後に声を拾えたのは、さすがに初めての経験だ。

滞在先のSan Franciscoのホテルで観戦した南華(サウスチャイナ)vs和富大埔の一戦。中村祐人にとって古巣との対決となるこの試合で、和富大埔は前半だけで4点を奪って圧倒。後半はFKから失点したものの、その後も慌てず南華の攻撃を跳ね返し、4-1で圧勝した。

この試合でも中村祐人はボランチでプレー。しかし、もはや「本職ではないボランチ」と書くのがはばかられるほどの見事なプレーを見せた。私がオンライン観戦で確認できただけで5回のインターセプト。恐らくもっとボールを奪っているだろう。そのうちのひとつは3点目を奪うショートカウンターの起点となった。

これまで「毎秒ゴールを狙っている」「空気を吸うのと同じようにゴールを狙うのが当たり前の感覚になっている」と生粋のストライカーとして生き抜いてきた中村祐人。2列目でプレーする時もあったが、しかし、ボランチという守備に重きを置くポジションにも、中村祐人は「おれの本来のポジションではない」と後ろ向きになることは微塵もなく、むしろ「DFも結構好きなんですよ」と明るく語る。

試合後、「この人、本当にFW?ってくらい、インターセプトしまくりでしたね」と私が振ると「相手のボランチに(ボールが)入るところは狙い目だと思ってました。それがうまくいきましたね」と冷静に語った。

やはりというか、当然というか。インターセプトを繰り返し成功できるプレーの根底には、中村祐人が常に磨いてきた「読み」の深さがあったのだ。中村祐人のプレーを見てきた人なら理解していると思うが、彼のセカンドボールへの読み、そしてそのボールを確実にものにするポジショニングは「これぞプロフェッショナル」と唸りたくなるほどだ。その能力がボランチでもいかんなく発揮されているのだろう。

San Franciscoから観戦していた私の頭に、ふとある英単語が浮かんだ。それは「elegant」(エレガント)。オシム監督が、勝利至上主義に陥った現代サッカーが、その代償として失った「プレーの華麗さ」について表現した単語だ。中村祐人のインターセプト、そしてボール奪取後のショートカウンター発動か、それともいったんボールを落ち着かせるのかの判断、奪ってすぐにパスの出しどころがない時でもボールを失わないキープ力。

中村祐人のプレーは、そのすべてがまさに「elegant」であった。

※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級」(中国スーパーリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。また、香港プレミアリーグについては「香港プレミアリーグ」と記します。