【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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【エピローグ】2016年末スペシャル「FOOT×BRAIN出演直後の中村祐人を独占取材! 10000字インタビュー」

2016年 年末スペシャ

「FOOT×BRAIN出演直後の中村祐人を独占取材! 10000字インタビュー」

聞き手:松本忠之

エピローグ

「飢えた狼のように、勝利を渇望している」

今回、中村祐人を取材して、そう感じた。

もちろん、これまでの彼が勝利を求めていなかったわけがない。しかし、今はまた違う境地で、違う次元で勝利に飢え、勝利を渇望している。言葉の端々にそれを感じた。

思い返せば、私が初めて中村祐人というフットボーラーのプレーを見たのも12月だった。あれから2年が経った。まさしく、光陰矢のごとしの感である。

その間、チームも変わり、身の回りの環境も変わり、彼自身もまた大きな逆境を幾度となく乗り越えて変化してきた。そして、プロローグで紹介したように、「FOOT×BRAIN」で語った自身の目標に向けて着々と歩みを進めている。

実は、インタビューの本編が終了した後、私はさらにレコーダーを回しながら、彼の目標をはじめ、香港サッカー全体についてもいろいろ聞いてみた。そこで感じたことは、「中村祐人は純粋なるサッカー小僧である」ということであった。目の前の試合では飢えた狼のように勝利を求めるが、サッカー談義になると、途端にサッカー小僧の一面が姿を表す。そして、実に楽しそうに会話する。本当にサッカーが好きで好きでたまらないのだ。

中村選手と夫人に見送られて、私はホテルへの帰途についた。インタビューとサッカー談義の余韻にひたっていると、危うく降車駅を通り過ごしそうになった。

BBQの美味しいビーフはもう無いけど、ホテルに戻ったら、冷たいビールで一杯やろうか。インタビューで火照った身体と頭を冷やすために。ふと、そんなことを考えた時も、またあの屈託のない彼の表情が浮かんでくる。インタビュー前にも関わらず、私にこう語りかけてくれる彼の顔が。

「遠慮せずに、(ビールも)じゃんじゃん飲んじゃってくださいよ」

香港名物の占い師が、広東語で私に何か話しかけくる。笑顔でそれを断りつつ、今夜は、勝利に飢えた狼が見せた絶妙なピンポイントのクロスと、サッカー小僧の顔で盛り上がったサッカー談義をつまみにして一杯やろうか。そんなことを考えながら、香港の夜が更けていった。