【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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【プロローグ】2016年末スペシャル「FOOT×BRAIN出演直後の中村祐人を独占取材! 10000字インタビュー」

2016年 年末スペシャ

「FOOT×BRAIN出演直後の中村祐人を独占取材! 10000字インタビュー」

聞き手:松本忠之

【プロローグ】

以前、私は「【中村祐人】独占インタビュー(2015春)」で、こんな記事を残している。

「そんな道半ばに立つ男は、更なる野望を語ってくれた。正直、私は驚いた。謙虚で、慎み深く、人懐っこくて、努力家で、数多の逆境を乗り越えてきたであろうこのフットボーラーは、とてつもなく大きい野望を抱いている。

(中略)

このインタビューでは、そんな中村選手の野望については触れない。だが、それは決してもったいぶっているわけではない。私にはまだ書けないだけだ。書く資格がない、ともいえる。

(中略)

これからも、この選手を追い続ける。しっかりその道程を見続ける。そして、いつか、自分でも書けると思える日が来たら書こうと思う」

リンク

http://sp.plus-blog.sportsnavi.com/arahatanin/article/1813?article_page=2

そして、その後もずっと追いかけ続けてきた中村祐人は、なんと私が書けなかったその「野望」、というより明確な彼のその「目標」を、堂々とテレビカメラの前で語ってみせた。サッカー専門のテレビ番組である「FOOT×BRAIN」でインタビューに答えたのである。もちろん私もオンエアを見た。そして、すぐにラインで感想を送った。私が彼と再会したのは、その一週間後である。

2016年12月3日。

この日、中村祐人が所属する和富大埔は香港プレミアリーグ第9節でホームに標準灝天を迎え、1-0で勝利した。中村祐人は後半15分からの途中出場ながら、71分、見事なアシストを決めてチームを勝利に導いた。インタビューは、その日の夜、和富大埔のクラブハウスで行われた。

「試合後にクラブハウスでチームのBBQがあるんですよ。よかったらそこに来ませんか。インタビューもそこで受けますよ」

私のオファーにいつも通り快諾してくれた中村選手から思わぬ逆オファーを受け、私は光栄にも和富大埔のBBQに参加させていただいた。クラブオーナー、監督、スタッフ、選手、そして選手の家族や恋人も集まり、BBQは盛大に行われた。携帯をスピーカーにつなげて音楽を流す選手、ひたすら肉を切って焼いている選手、恋人と仲睦まじく会話する選手。普段ピッチでしか見ることのできない選手達の、実にリラックスした表情と雰囲気がそこにはあった。

「松本さん、肉焼けましたよ」

いつもの屈託のない態度で私にも気を遣ってくれる中村選手も夫人を同伴して参加していた。思い返せば、ちょうど一年前、当時いつも中村選手へのインタビューをコーディネートしてくれていた方が、同じように試合後にチームのBBQに招かれて参加していた。ラインで送られてきたそれらの写真を見ながら、いつか自分も参加してみたいと密かに願っていたことが現実のものとなった。その嬉しさと、炭火でこんがりと焼けたビーフやソーセージを前に、よく冷えたビールへの誘惑に駆られつつも、その後に控えていたインタビューのシュミレーションを何度も頭の中で繰り返していた。

「そろそろ始めましょうか。これ食べたら、静かな場所に移動しましょう」

いつものように、天真爛漫な態度で、串刺しにした手羽先を「うまい、うまい」と頬張りながら、中村選手が声をかけてくれた。

この日、インタビューに応じてくれた中村選手は、新たなクラブで、新たな境地に達していた。そして、いつものように、そこには迷いがなく、しかしながら悲壮感もなく、淡々としていた。覚悟を決め、飢えた狼のように、ひたすら勝利だけを追い求める一人のプロサッカー選手がそこにはいた。10000字にも及ぶインタビューの始まりである。

なお、インタビューには中村選手の奥様にもご同席いただいた。