問われるモラル。それも中国サッカー向上の証
中村祐人が15~16シーズンを振り返る。最新インタビュー
中国代表5-0武漢卓
昆明 練習試合
リッピチャイナの初実戦だった。
11/15のカタール戦(昆明)に向けて、リッピ新体制になってから、わずか一試合しかない貴重な実戦の場。スタジアムをサポーターに開放したが、映像撮影は固く禁じていた。まして、その動画がネットに流出するなど。しかし…
流れてしまった。それも、スタジアム客席の3地点からしっかり撮られていた。それが編集されてネット上に。カタールの仕業かと思いきや、やったのは中国人ということだ。もちろん、カタール代表は思わぬ幸運。リッピ新体制のスタメンや布陣、戦術など、見れないよりも試合前に確認できているほうがいいに決まっているからだ。
これには中国人記者の中にも怒り爆発の人物が。微博で「撮影禁止と言われているのに、3地点から撮影し、しかもネット上に公開。それもこれもすべて自分が注目を集めたいから。そんな動物どもがいた」ともはや人間扱いしないという怒りっぷり。
また別の記者は「恥を知れ!なんて悲しいことだ。代表チームのためにできるサポートをすべきだ」と身内を売り込むような行為にこちらも大激怒だ。
しかし、こういう存在は時代、国を問わずどこにでもいる。大切なのは、こうして良識あるメディア人たちが怒りの声をあげて、モラルの底上げをしていくこと。その意味で、本気で中国代表を強くしたいと考える中国人記者たちが声をあげたことは、モラル向上への証左であると思った。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級」(中国スーパーリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。また、香港プレミアリーグについては「香港プレミアリーグ」と記します。