【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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中村祐人インタビュー2016夏 5/5

終章

7月に入った香港はすでに十分暑かった。

そんな香港での今回のインタビューでは、いつもインタビューをセッティングしてくださっていた日本人コーディネーターのKさんが日本に帰国されたということもあり、自分ですべてをセッティングした。

いろんなどたばたがあった末、なんとかインタビューを終えることができたのも、いつも通り暖かく、そして気遣いをしてくださった中村選手のおかげであり、またいつも助言をいただく中村夫人のおかげである。

そして、コーディネーターkさんの存在の大きさを改めて実感した。インタビューに専念できたのは、実務をこなしてサポートしてくださる方がいるからこそなのだ、と。

中村祐人という選手は不思議だ。

とにかく飾るところがなく、素直で、純粋で、お人好し。

それでいて、ピッチに立てば獲物を狙うハンターのように本能むき出しで勝負の世界に挑む。

しかし、インタビューの場で自身を振り返ってもらうと、とても鮮明に、そして詳細に試合のことや、自身の心の移り変わりを記憶している。

プロの選手とは、きっとこうなのだろう。

まるで二重人格のような、闘争本能をむき出しにする時と、平素の自分。そのすみ分けを普段からずっと続けているのだろう。

勝負の世界に生きる彼には、これまで決して順風満帆な道などなかった。

そして、これからも彼はそんな道を選ばないであろう。

それは、あの闘争本能むき出しのピッチ上の彼の激しさが、そのまま人生に反映されたかのようだ。厳しい道を歩んでいる。

しかし、彼なら、きっとどんな困難も、どんな環境も、最後は乗り越えるだろう。自分の糧にしてしまうだろう。

そんな彼の姿を思い描きながら、私は香港から帰国の途についた。

※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級」(中国スーパーリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。また、香港プレミアリーグについては「香港プレミアリーグ」と記します。