【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中村祐人、コラム【縦横無尽】、ビール、アメリカ、中国etc

中村祐人インタビュー2016夏 3/5

第2章

20152016シーズンの黄大仙の最終戦。引き分けでも残留が決まる元朗との試合でまさかの1-4という大敗を喫した黄大仙の命運は、スケジュールの都合上、後日行われたレンジャースvsペガサスの試合に委ねられた。黄大仙と残留を争っていたレンジャースはこの試合、引き分けでも降格が決まるという状況で、しかも対戦相手は格上のペガサス。下馬評でも、また著者である私自身も、ペガサスがレンジャースに負けるわけがないと高をくくっていた。しかし、試合はレンジャースが3-2で勝利。その結果、黄大仙の降格が決まってしまった。

—中村選手ご自身は、どのようにレンジャースvsペガサスの結果を知りましたか。

中村「その日、私は別会場で行われていた、福田さん(福田健二・香港プレミアリーグのメトロ所属)の現役最後の試合を見に行っていました(福田選手はこの試合を最後に現役を引退した)。なので、携帯で速報を見ていました」

—では、試合展開も追っていたわけですね

中村「はい。ペガサスが一度は2-2に追いついたことも、その後、3失点目を喫したことも、速報で見ていました」

※ここで、同席していた中村夫人が、2-3とリードされたペガサスにPKのチャンスが訪れ、それを決めていれば再び同点になっていたのが、そのPKが外れてしまったことを補足してくれた。

—私は日本で結果のみを確認したのですが、まさかペガサスがレンジャースに負けるとは思っていませんでした…

中村「周りもそう思っていましたよ」

—中村選手もですか?

中村「ペガサスが勝つだろうと思いつつも、もしかしたら…があるかもしれないな、とも思っていました。というのも、ペガサスはその試合の後にカップ戦の決勝を控えていたので、怪我防止のために主力を温存していて。一方のレンジャースはもう失うものはなく、とにかく向かっていくだけですから。それに、レンジャースのホームで人工芝のグラウンドというのもありました。いろんな要素がレンジャース有利に傾いていたので、波乱があるかもしれない、とは思っていました」

—降格が決まったときの心境はいかがでしたか?

中村「うん…なんとも言えない感情でしたね。その前に、自力での残留がなくなり、他チームの結果次第という状況になった時点で、自分たちの力不足を感じていたし。でも、もちろんチームも僕も絶対に残留はしたいと思っていたし。うん…難しいですね」

—降格を経験したのは、初めてですか?

中村「プロになってからは初めてです。大学時代(中村選手は青山学院大学卒業)には経験しましたが」

—言葉にするのが難しい感情でしたか?

中村「そうですね…本当に、その、自分たちがピッチで戦って決まったわけでもなかったので、やりきった感もなく…寂しかった…うん。むなしい、悔しい、なんとも言い難い感情でしたね」

—降格が決まったときには、チームメートとは何か話をされましたか?

中村「What’s upで話しましたね。プレミアからこのチームがなくなるのは寂しいね、とか」

ここで、話は香港プレミアリーグ独特の事情へと一旦移った。

中村「でも、降格が決まった時点で、来季のプレミア参戦の申請をチームが出すってことは知っていたので、どうなるのかなとは思っていました」

実は、香港プレミアリーグは20162017シーズンはチーム数を増やして運営することを目指しており、この新シーズンに参加を希望するクラブを募集していた。しかし、結果的に黄大仙は来季のプレミア参戦を逃すこととなる。

中村「これでよかったんだと思います。だって、降格が決まったのに、やっぱり来季もプレミアでできます、ってなったら、リーグ全体や将来性を考えたときによくない。降格が決まったなら降格する。そうやっていかないと、絶対にこのリーグはよくなっていきませんから」

続き

※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級」(中国スーパーリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。また、香港プレミアリーグについては「香港プレミアリーグ」と記します。