【中村祐人】独占インタビュー(2015春) 終章 香港=中村
4月の特別企画として、毎週の土曜日と日曜日に新連載を配信してきました。
タイトルは「【中村祐人】独占インタビュー(2015春)」。
香港プレミアリーグの名門・サウスチャイナで活躍する日本人選手の独占インタビューをお届けしてきました。
聞き手は中国サッカーに造詣の深い当ブログ執筆者の松本忠之氏。
本日はこのインタビューの最終回です。
インタビューを終えて、レコーダーのスイッチを切ってからも、我々は語り続けた。来シーズンのこと、さらにその先のこと、香港サッカー界のこと、中村選手の家での様子、今欲しいもの…
そんな中、中村選手の口からふと、こんな言葉が漏れた。
「香港イコール中村って言われたいんです」
その瞬間、私の中でこのインタビューの主題が決まった。
「香港=中村」である。
実は中村選手本人が、少しずつそうなりつつある状況を感じているという。香港でプロデビューを果たしてから6年の月日が過ぎた。この間、欧州への挑戦、香港への復帰、名門クラブへの移籍…決して平坦ではない道を歩んできた。そして、もちろん、今も道半ばである。
そんな道半ばに立つ男は、「香港=中村」の更なる野望を語ってくれた。正直、私は驚いた。謙虚で、慎み深く、人懐っこくて、努力家で、数多の逆境を乗り越えてきたであろうこのフットボーラーは、とてつもなく大きい野望を抱いている。しかしそれは決して無謀な挑戦でも遠い夢でもない。確かな道標を描くことができる目標だ。だからこそ、それを聞いた私は心底感動し、心底応援したいと思った。この男なら、本当にやってのけてしまいそうだ。そんな期待感やワクワク感を感じさせてくれる。やはり彼はプロフェッショナルなのだ。サッカーだけでなく、人格、人間性、メンタル、そして周囲をわくわくさせるスター性。すべてがプロフェッショナルなのだ。
このインタビューでは、そんな中村選手の野望については触れない。だが、それは決してもったいぶっているわけではない。私にはまだ書けないだけだ。書く資格がない、ともいえる。彼のプレーをこの目で見てから、まだいくらも経過していない。そんな短時間で、この正真正銘のプロ・フットボーラーの野望を書くなどおこがましい。だから、今は書かない。
しかし、彼に大きな野望があるように、私にもこれからの目標ができた。これからも、この選手を追い続ける。しっかりその道程を見続ける。そして、いつか、自分でも書けると思える日が来たら書こうと思う。
「香港=中村」をこの目で見て、この手で書ける日を目指して…
完結