原因は過密日程!?サウスチャイナが決勝で04と大敗…
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」(中国プレミアリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。
また、香港プレミアリーグについては「香港超級聯賽」と記します。
香港超級聯賽リーグカップ決勝 傑志vs南華 2015年4月22日
一体、どうしたのか…
香港超級聯賽のリーグカップ決勝戦。傑志と南華(サウスチャイナ)の一戦は、思いもしないスコアで決着がついた。40。傑志がタイトルを獲得した。
当ブログで今月、インタビュー特集を組んでいる中村祐人も先発したこの試合。ウィークデーの20時キックオフという時間にもかかわらず、決戦の会場となったモンコック・スタジアムには開門前からサポーターが詰め掛けた。香港超級聯賽の公式サイトが「宿敵」と名付けた両者。しかしなぜこんなにも大差がついたのか。
試合は前半、傑志が2点を先制して折り返す。今季初タイトルを目指す南華(サウスチャイナ)は後半に巻き返しを図り、早い時間帯から選手交代を行って得点を目指すが、終盤にさらに2点を追加され万事休す。5000人以上が詰め掛けた注目の一戦は40という思わぬスコアで幕を閉じた。
それにしても、南華(サウスチャイナ)に一体何が…?
原因のひとつにハードなスケジュールがあるのではないだろうか。南華(サウスチャイナ)は3月からリーグ戦、FAカップ、リーグカップ、そしてAFC杯と、とにかく試合が多かった。その流れのまま4月に入り、さすがに選手の疲労蓄積はかなり深刻なのではないか。沖縄本当よりも赤道に近い香港では4月の気温は低くない。さらに、アジアでの戦いのために移動もある。事実、3月度の香港超級聯賽の月間MVPには南華(サウスチャイナ)から陳肇麒選手が選ばれた。同リーグのYFCで活躍する日本人FW福田健二選手を抑えての受賞となったが、その理由はハードスケジュールの中、チームの勝利に貢献してきたからだ。単なる活躍ではなく、ハードスケジュールの中での活躍という部分も評価されての受賞は、逆に言えば21名の同賞審査員も南華(サウスチャイナ)のスケジュールの厳しさを理解している証左であろう。
ともあれ、結果が全ての世界。傑志にはおめでとう、そして南華(サウスチャイナ)にはお疲れ様、である。リーグ戦はまだ続く。次はリーグ優勝争いに注目だ。
松本忠之(まつもとただゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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