【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

中国が発信している情報を偏見なく紹介します。その他、趣味のサッカー(ガンバ大阪/清水エスパルス/バルセロナ)やお酒の話題など。

中国vs中国?ロシアW杯アジア第二次予選抽選結果

※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」(中国プレミアリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。

また、香港プレミアリーグについては「香港超級聯賽」と記します。

ロシアW杯アジア第二次予選の抽選結果が発表された。

もちろん、日本でもニュースになった。日本はグループEに入り、シリア、アフガニスタンシンガポールカンボジアと同組。第二次予選は各組1位と2位の上位4チームが最終予選に進出する。グループEはシリアが日本のライバルだろうが、実力的に日本が一位通過する可能性は十分すぎるほど高いだろう。

一方、グループCに入った中国代表。今年のアジア杯で大躍進してアジアを驚かせた中国はカタールモルディブブータン、そして香港と同組に。はっきりいって中国が1位通過する可能性は5分5分だろう。カタールがいるからだ。これまでのアジア予選でもカタールには苦杯をなめさせられてきた。現代表は以前とは違うとはいえ、中国は日本や韓国、豪州ほどの実力があるわけではない。カタールが1位通過してもなんら不思議はない。それだけに、ペラン監督の手腕に注目するとともに、中国、そしてカタールにとっても、いかに他国との試合で「取りこぼし」をしないかがポイントとなる。その上で、直接対決ではいかにホームでアドバンテージを作り、アウェイでは勝ち点3を相手に与えないかの戦いが重要となる。

もうひとつ興味深い点は、同じグループCに香港が入ったことだろう。ひとつの中国を訴える両国、ではない、ひとつの国の二つの地域が同じグループに入った。この辺りが日本人には分かりづらい点だが、中国は香港、マカオ、台湾を「ひとつの中国」として、つまりひとつの国として統治している(もしくはそう主張している)。だが、こういう国際大会(五輪もそう)ではそれぞれが地域として単独でエントリーする。今回の第二次予選もグループFには台湾が入っているのだ。この辺りを「柔軟性がある」と見るか、「統一感ないな」と見るかは主観の問題だが、少なくとも「中国vs中国」のような構図が生まれるのは興味深く、また複雑な中華圏社会を表しているように思う。

ともあれ、中国も香港も台湾も、いずれにもがんばってほしい。特に同じグループに入った中国と香港。この上は、ぜひ、1位と2位通過で中国と香港がそろい踏みで最終予選に行ってくれれば…そのためにも、このグループ最大のライバル、カタールをいかに打ち負かすかに注目しながら、W杯予選を楽しみたい。

松本忠之(まつもとただゆき)

サッカーコラムニスト。

サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。

【略歴】

静岡生まれ。

小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。

【観戦経験】

英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシーマンチェスターC。

リーガ:バルセロナ

セリエ:ユベントス、ローマ。

ブンデスニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV

欧州CL:バルセロナベンフィカ

【中国Cリーグ】

中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。

08年 Cリーグ武漢光谷の日系企業スポンサー募集担当。

08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。

09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。

※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。

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