【中村祐人】独占インタビュー(2015春) 第2章メンタル
4月の特別企画として、毎週の土曜日と日曜日に新連載を配信いたします。
タイトルは「【中村祐人】独占インタビュー(2015春)」。
香港プレミアリーグの名門・サウスチャイナで活躍する日本人選手の独占インタビューをお届けいたします。
聞き手は中国サッカーに造詣の深い当ブログ執筆者の松本忠之氏。
本日は第二章をお届けいたします。ぜひとも最後までお楽しみください!
—そうなんですか?
中村「はい。なぜか、そうなんですよ」
—それは、サポーターから批難されて、「この野郎!」と思って力が出るとか、そういうメンタリティですか?
中村「いや、それはないですね。本人としてはいたって冷静なんですよ」
—批判を糧にして…という風にしているわけではない、と?
中村「はい。当然、状況としてはマイナスなんです、悪口を言われてるわけですから。でも、そういう時ほど、結果出ちゃうんですよね、これが。おもしろいことに」
—確かに、それはおもしろいですね。
中村「なんていうのかな。うまく言えないけど、マイナスの状況にあるときほど、わりといい結果が出やすいんです」
—あえて自己分析するとしたら、それはどうしてなのでしょうか?
中村「(少し考えて)逆境に強いんでしょうね。例えば、今みたいに試合中に悪口言われたり、ここ何試合か点を取ってないなとか、アジアの大会のメンバーからはずれたとか(※外国人枠の兼ね合いによる)。そういう逆境って、自分にとってはプラスになることが多いですから」
—それは、ご自身でメンタルコントロールしているから、そうなるのではないんですか?
中村「いや、特別メンタルコントロールをしているわけじゃないです。へこむ時はへこむし。試合中に『今日はちょっときついな』と思うこともあるし」
—意識的にメンタル調整しているわけではない。でも、逆境の時ほど結果が出る。
中村「なんていえばいいかわからないですけど、まぁどんなに悪い状況でも、ひとつゴール決めればいいしな・・・.くらいにしか思ってないですね」
—なるほど。ゴールを決めることができれば、周囲を黙らすことができますしね。
中村「そうなんですよね。だから私はメンタルが特別に強いわけではないです( 笑 )」
—謙虚ですね( 笑 )
中村「そんなことないですよ( 笑 )」
—でも、今シーズンはここまでリーグ戦とカップ戦合わせて10ゴール。香港プレミアリーグの総合ゴールランキングで第4位。すごい結果です(※数字及びランキングは取材時のもの)。
中村「そうですね・・・。まぁ先ほど言ったように、開幕序盤は連携不足なんかもありましたが」
—そこですよ。開幕当初は監督の起用法に悩み、サポーターから心無い批判を浴び、一年目ということでチームメイトとの連携も十分ではない。それなのに、今シーズンここまでこのゴール数。やっぱりすごいメンタルだと思います。
中村「うーん。まぁチームにフィットしてきたからっていうのはもちろんありますけどね。ただでも、こう、うまいことボールが目の前に来るんですよね」
続く
松本忠之(まつもとただゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。
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