グラールはポスト、エウケソンはPK失敗…広州恒大の悪夢
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」(中国プレミアリーグ)の略で、日本でいうJ1に相当します。
また、香港プレミアリーグについては「香港超級聯賽」と記します。
前半7分グラールのシュートはポストに…
後半ロスタイム、エウケソンのPKは枠外に…
「負けてニュースになる」広州恒大。アウェイとはいえ、まさかの敗戦だ。相手は河南。しかし、決して負ける試合ではなかった。勝てた試合だった。冒頭の2本が決まっていれば…。だが、広州相手に2ゴールを決めた河南も素晴らしい。
ACLで3連勝。中超で2勝1分け。「さすがは広州。今季も安定の強さ」。そんなイメージで迎えた中超第4節だっただけに、ここで躓くとは思いもしなかった。メンバーも決して「ターンオーバー」で入れ替えていたわけではない。
GKは李。DFラインは梅方、霆、金英、李学がスタメン。後半から交代で入った選手も琳芃。手は抜いていない。しかし、2失点した。
個人的な見解だが、やはりGK曾誠の離脱が大きい。李も経験豊富なGKだが、全体的なGKのレベルとして曾誠のほうが断然上だし、DFラインとの連携もまだまだだ。実は今季の中超で、すでに4試合を消化した広州恒大だが、クリーンシートで試合を終えたことがないのだ。開幕戦から第3節まで1失点。この試合2失点。去年までは「失点なしで勝利」、今季は「失点しても勝利」。この差は大きい。攻撃陣ばかりが目立つ広州恒大だが、GKを含むDFラインにも絶対的自信をもっていた昨季とは違い、今季はGK曾誠の離脱以降、どことなくDFが危うい。それでも相手を上回るゴールを奪って勝ってきたが、これがいつまでも続くようだと、引き分けや今節のように攻撃陣にミスが出ると負けてしまう試合が出てきて当然だ。これはACLにもいえる。決して楽観できない現状だ。
今のところ、GK曾誠の復帰時期はまだ未定。しばらくはGK李でいくしかない。であれば、今のメンバーでDFを固めていくしかない。幸い、現在の監督はイタリアでDFとしてトップを極めたカンナバーロ。この監督が広州のDFにテコ入れしないはずがないし、しっかりと立て直してくることだろう。
今年の広州には、得点よりも失点に注目だ。
松本忠之(まつもとただゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
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