【中村祐人】独占インタビュー(2015春) 第1章今シーズン
4月の特別企画として、毎週の土曜日と日曜日に新連載を配信いたします。
タイトルは「【中村祐人】独占インタビュー(2015春)」。
香港プレミアリーグの名門・サウスチャイナで活躍する日本人選手の独占インタビューをお届けいたします。
聞き手は中国サッカーに造詣の深い当ブログ執筆者の松本忠之氏。
本日は第一章をお届けいたします。ぜひとも最後までお楽しみください!
—まずは、まだ途中ではありますが、今シーズンを振り返っていただきたいと思います。チームは現在、6勝2敗5分の暫定4位。ここまではいかがですか?
※香港プレミアリーグは秋春制のため、初春の時期はシーズン真っ最中。
中村「シーズン前は当然、優勝を目標にしていましたので、満足はしていません。開幕戦では格下のチームに引き分けました。結果的にそのチームには2引き分けしてしまうんですが、格下との試合で取りこぼしが少し多いですね」
—どのあたりにその原因があると思いますか?
中村「サウスチャイナは今シーズン、僕も含めて(中村選手は同クラブで一年目)メンバーが大幅に変わりました。その辺で攻撃面での連携や、攻め方の共通認識が深まるまでに時間がかかってしまいました」
—守備の面はいかがですか?
中村「元々、守備も安定していたわけではなかったんですが、攻撃陣が得点できないままズルズルと試合が進んでしまい、守備陣が我慢できずに失点してしまう。それを試合終盤になんとか追いつく。そんなパターンが今シーズンはいくつかありましたね」
—他にはいかがですか?
中村「シーズン中の監督の交代もありました。監督が代われば当然また一からですし、そういう意味では難しいシーズンと言えますね」
—中村選手は今シーズン、サウスチャイナで一年目ですが、やはり一年目というのは、常に難しいものですか?
中村「難しいですね。前のクラブ(シチズン)では自分がある程度中心としてプレーできていたのですが、サウスチャイナは香港人の優秀な選手も多いですし、いきなり自分の色にというのは難しいので、チームに馴染むまでやはり時間がかかりましたね」
—自分がチームにフィットしてきたなと感じたのは、いつくらいでしたか?
中村「冬ですかね。12月もしくは1月くらいからです」
—どの面がフィットするまでに時間がかかりましたか?
中村「うちは速いサッカーをするので、プレースピード、判断スピードをあげていかなければならない。そこが特に時間がかかりましたね」
—開幕からしばらくは、ファンからも厳しい視線が向けられていました。
中村「そうですね。私はシチズンからサウスチャイナに入団したんですが、シチズンは格下クラブですし、サウスチャイナにしてみれば格下クラブから外国人枠をひとつ使って私を獲得したわけです。ですから、それに対して面白くないと思うサポーターもいたでしょうね」
—外国人枠で入団する選手に対しては、サポーターも期待が大きい分、見る目もシビアですよね。
中村「はい。それに開幕当初は結果を出せなかったということもあるし、また昨季まで在籍していた外国人選手がサポーターからとても愛されていたということもあるから、なおさらだったと思います」
—開幕からしばらくは監督の起用法にも悩んでいたんですよね。
中村「そうですね。特に最初は慣れない右で使われていたということもあり、自分自身プレーしていて面白くなかったというのもありました」
—実際、スタジアムでサポーターから批判されることもありますか?
中村「あります。例えばボールを奪われた時とかですね。そういう時は聞こえてきますし、また、少しはわかるんでね、言葉が」
—中村選手は言葉もわかりますもんね(香港は広東語が共通語)
中村「だから、プレー中でも、あぁ言われてるな、と」
—そういう試合中のサポーターからの批判は、プレーに影響しますか?
中村「(少し考えて)どうでしょうね…。まぁでも少なくともプラスの方向には働かないですよね」
—それはそうですよね
中村「ただ、僕の場合、そういうときほど結果出ちゃうんですよね」
続く