異例!?試合中にカード提示なしなのに、試合後に出場停止処分が決定!
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中国サッカー協会が山東魯能のベテラン2選手に対して、出場停止処分の厳罰を下した。
一人目は戴琳。
カップ戦ベスト8のvs北京国安戦。
北京に決定的チャンスを作られた山東は、思わず戴琳が相手選手を後ろからつかんで倒した。誰が見ても明らかなファウル。そして審判の判定はレッドカード。一発退場だ。
二人目は韓鵬。
先週の日曜日に行われたvs遼寧戦の62分。山東のコーナーキックのチャンス。だが、ここで韓鵬は、粘着マークにイラついたのか、相手選手をひじ打ち。だが、このプレーは審判の目に留まらず、結局韓鵬にはイエローすら出されなかった。
この二人に対して、中国サッカー協会は北京に召集して事情聴取。そのうえで処分を決定した。
一人目の戴琳にはカップ戦の3試合出場停止。山東はベスト4に進んだが、同選手はこれで今季カップ戦はすべて出場できなくなった。
二人目の韓鵬に対しては、試合中の制裁はなかったものの、中国サッカー協会が試合後にビデオを見て判断。試合中に審判こそこのプレーを見ていなかったものの、やはりこれは非スポーツマンシップに当たるとして、リーグ戦の3試合出場停止処分を下した。試合中にイエローすら出されなかった選手に対して、試合後にビデオ判定で処分を下すという異例の展開だ。
中国サッカー協会のこれらの処分は評価できる。
中国サッカーは、フェアプレーを基礎にしながら、強くならなければならないからだ。
この二人のようなベテラン選手と、今後の若手選手はフェアプレーと激しいフィジカルコンタクトやマリーシア(狡猾さ)の区別を世界基準にしなければならない。そうでなければ、中国サッカーは永遠に「カンフーサッカー」という汚名を返上できない。
山東は個人的に関わったクラブで一番好きなクラブだが、今回の判定はサッカー協会を支持する。
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小松英之(こまつひでゆき)
サッカーコラムニスト。
サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。
【略歴】
静岡生まれ。
小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。
【観戦経験】
英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシー、マンチェスターC。
リーガ:バルセロナ
セリエ:ユベントス、ローマ。
ブンデス:ニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV
【中国Cリーグ】
中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花や武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。
08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。
09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。
※当ブログでは、中国1部リーグの呼称を中国で一般的に使われている「中超」に統一いたします。「中超」は中国語の「中国超級聯賽」の略です。
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