【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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「アピール」にも文化の違いか!?本田のアピールとは

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本田とともに今冬の新戦力としてミランに加入したモロッコ代表ターラブト。リーグ戦でもCLでも出場し、セードルフ監督からも高評価を受けているようだ。

加入時の注目度では天と地ほどの差があったであろうこの二人だが、現在はメディアから、本田はバッシングにさらされ、ターラブトのほうが高評価を得ている。

しかし、どうやら理由は簡単なようで、いや、簡単というかシンプルなようで、要するに2列目の選手として、どれだけ「ゴール」「(ドリブルの)仕掛け」「縦の意識」「アシスト(クロス)」を実践しているかという部分での評価が強いようだ。特に二人ともサイドでプレーする機会が多いため、よりその傾向が強い。

本田の得意な位置はトップ下だろうが、そこにはカカがいる。そのため、本田は右MFでプレーしているが、確かに本田はウイング向きの選手ではない。スピードはそれほどないし、ドリブルで仕掛けて相手を抜き去ってクロス、というのは本田の得意とするプレーではない。一方、ターラブトはそういったプレーを見せている。単純に、このあたりに二人の評価が異なる原因がありそうだ。

日本人はあからさまなアピールが苦手といわれる。いかにも「私はアピールしています」という行為をとることが苦手な国民性だ。海外に暮らしているとそれがよくわかる。そして同時に海外の人(私が知っている国の人、という意味だが)は「私は今、あなたにアピールしています!」というオーラも姿勢も全開でアピールする。確かにそちらのほうがわかりやすい。しかもためらわずにやるから、伝わりやすい。

だが。

よもや、文化の違いではあるまい。本田だって欧州でプレーしてきた選手だし、クレバーな選手だけに、どうやったらオランダ人指揮官に自身をアピールできるかを知っているはずだし、すでにしているはずだ。ただ、本田が自分の思い描くとおりに身体が動いているかどうかは微妙だし、また本田のプレーによるアピールがターラブトほど明快でわかりやすいということはない。

もっとも、メディアの評価だけなら、監督が信頼して使ってくれていれば気にならないが、問題はサポーターである。こちらも本田にブーイングをするなど、最近は手厳しい評価をくだしているが、サポーターの意見は無視し続けるわけにはいかない。それだけに、いわゆる「サポーター世論」が「本田は攻撃しない。ターラブトは積極的に仕掛けていていい」となってしまうと、厳しい。

CLでAマドリーに敗れてしまったミラン。まだ第2レグが残っているが、厳しい状況には変わりない。本田はCLに出られないのだから、リーグ戦で結果を出すしかない。

早く、本田のゴールが見たい。

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筆:小松英之 ツイッターはこちら

小松英之(こまつひでゆき)

サッカーコラムニスト。

サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。

【略歴】

静岡生まれ。

小さい頃から地元の高校である清水商業(当時)や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。

【観戦経験】

英プレミア:マンU(香川在籍時)、チェルシーマンチェスターC。

リーガ:バルセロナ

セリエ:ユベントス、ローマ。

ブンデスニュルンベルク(長谷部、清武在籍時)、ハンブルガーSV

欧州CL:バルセロナベンフィカ

【中国Cリーグ】

中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鐸氏とは何度も会食している。

08年 Cリーグ武漢光谷の日系企業スポンサー募集担当。

08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。

09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。

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