【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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フェライニがマンU加入で香川はどうなる?

イングランド・オランダ・日本・中国の各国の指導者ライセンスを所持するサッカースクール!

小松英之の連載がブログで紹介されました!

マンUエバートンからベルギー代表MFのフェライニを獲得した。

モイーズ監督がマンU監督に決まったときから、フェライニを獲得するのではと言われ続けてきたが、移籍市場最後の最後にやっと決まった。

すでに、ネットではフェライニの加入によって香川がどうなるかというのがコメントされている。よく見かけるのは、フェライニの加入→いわゆる「縦ポン」サッカー復活→香川の出番なし、というもの。

ただ、そんな単純なものではないだろう。

そもそもモイーズ監督がエバートン時代に中盤を飛ばして前線にロングパスを送り、そのロングパスを受ける的となる選手(これがまさにフェライニ)を起点に攻める(いわゆる縦ポン)…というような単純なサッカーをしていたかといえば、そうではない。そういうプレーもあるが、では攻め手がそれしかないかと言えばもちろんそんなことはない。サイドをワイドに使う攻めももちろんある。強いて言えば、細かいパス回しが少ないということだろう。

ルーニーと香川が残留したことで、これまでのマンUの戦い方に、細かいパス回しや俊敏性、創造的なプレーというものがマンUにも残ったことになる。現にある英国紙では前節のリバプール戦の敗戦を受けて「ユナイテッドは中盤に速さと権威、そして創造性を」と書いたという。これができるのはまさに香川、そしてルーニーだろう。

もちろん、長身のフェライニが入ったことで、そこを標的にロングパスを後方から出しやすくなるというパターンもできる。しかし、フェライニがきたからそれ一辺倒というのは、いささか短絡すぎではないか。

では、モイーズ率いるマンUはどうなっていくのか。もちろん推測でしかないが、相手や状況によって、戦い方(特に攻め方)を変化自在に変えることができる。そういうチームになっていくのではないか。単純に考えて、リーグ戦と欧州CLは全く別物。カップ戦も含めたすべての試合で同じ戦い方しかしないのではなく、相手によってメンバーを変え、それによりそのメンバー構成による攻め方ができるようになる。そういう方向に向かうのではないか。つまりは、スタメン発表そのものが、監督のその試合への戦い方のメッセージとなり、試合途中の選手交代ももちろん、メッセージとなる。

バルサのように、戦い方がある程度固定されているチームもある。ただし、バルサの場合は勝手が違う。そもそも監督が変わっても戦術は大きく変わらないし、カンテラからすでに「バルサイズム」を植え付けている。そこへさらにメッシという選手がいる。だから、バルサはある意味では「ワンパターン」な戦い方を貫いてきたが、どのチームでもマネできるものではなかった。

マンUファーガソン監督のもと、ある意味では「ワンパターン」なスタイルを確立して戦ってきた。しかし、それでは欧州のトップに立てなくなってから、変化を加え始めた。一説によれば、香川を獲得したのは、その変化のためということだ。ワンパターンな戦い方から変化自在のチームへの変貌。モイーズ監督はその役割を担っているのではないか。そしてその変貌に必要な選手が香川だ。フェライニとは全く個性のことなる香川。だからこそ、香川はよりチームにとって必要な存在になれる。こう考えるのは、楽観的すぎるだろうか。

モイーズ監督は今夏ルーニーを絶対に手放さなかったし、試合に出していない香川に対しても「今後起用する」と明言した。この言葉を信じて、モイーズ監督のチーム作りを見守っていきたい。

筆:小松英之 ツイッターはこちら

小松英之(こまつひでゆき)

サッカーコラムニスト。

サッカー専門ブログ「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。

【略歴】

静岡生まれ。

小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。Jでは清水サポ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。

【観戦経験】

英プレミア:マンU(香川移籍後)、チェルシーマンチェスターC。

リーガ:バルセロナ

セリエ:ユベントス、ローマ。

欧州CL:バルセロナベンフィカ

【中国Cリーグ】

中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海申花武漢卓アルといったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。また、元中国サッカー協会会長の閻世鋒氏とは何度も会食している。

08年 Cリーグ武漢光谷の日系企業スポンサー募集担当。

08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。

09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。

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