【ベスト8組み合わせ決定!!UEFAチャンピオンズ・リーグ】コラム:クアットロディチ第十九回(2of3)
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一方、「ようやく」7シーズンぶりにベスト8に進出し、鬼門を突破したマドリーだが、まだこんなところで満足するようなクラブではない。一度も勝利したことのなかったリヨンとの決勝トーナメント1回戦では、1stレグで11のドローと終わると、メディアやファンがそろって、「やはりジンクスは続くのか?!」といった論調で不安感をあおったが、対する指揮官モウリーニョはいたって冷静で「アウェーゴールを奪っての引き分けの何がいけないんだ?」といった様子だった。
元々、モウリーニョは通常地の利があるホームでは攻撃的に、プレッシャーにさらされる事になるアウェーでは守備的になるのが定石のサッカー界で、CLに関しては”アウェーゴール2倍”のルールがあるため、アウェーこそ攻撃的に戦うべきで、ホームはアウェーゴールを許さぬよう、慎重に入るべきだとの独自の理論を展開している。
そうでなければポルトのようなチームでビッグイヤーを勝ち取ることは不可能だっただろう。
また、ここに来て調子を上げているフランス代表FWカリム・ベンゼマもシーズン終盤にかけて重要なキーマンになるだろう。 思えば序盤から中盤にかけてマドリーにアルゼンチン代表FWゴンサロ・イグアインら攻撃陣に負傷者が続出し、「FWが組めるのか?(冬の移籍マーケットで)補強が必要ではないのか?」と言われていた時も、モウリーニョはベンゼマを信頼し、”貴重なジョーカー”になり得るコメントを残した。リヨンとの2戦で古巣に引導を渡す計2発を叩き込んだのもベンゼマだった。
チームの大量補強のあおりをくらい、プレミアリーグで輝きを放つファン・デル・ファールトのトッテナムか。 出場機会が無くともじっと牙を研ぎ「その時」を待ったベンゼマが爆発するマドリーか。 それが勝敗を左右する大きなポイントになりそうだ。
プレミア勢同士の一戦となったのはチェルシー×マンチェスター・ユナイテッド。近年、プレミアの覇権を争ってきた両チームだが、今期は対照的な結果となった。2010年までは首位を走っていたチェルシーが突如失速。一時は7位にまで落ち込んだ。ユナイテッドはその後首位に踊り出ると、首位固めに成功し、優勝は彼らのものになるかと思われた。
しかし、それに「待った」をかけたのもブルーズだった。キャプテン、ジョン・テリーらの、「我々は最後まで諦めない」という言葉通り、しぶとく終盤戦勝ち星を積み重ね、直接対決では彼らを打ち破った。それに加え、ユナイテッドが連敗を喫し、一気に勝ち点差は9に。しかもチェルシーは1試合未消化だ。 まだまだ厳しいのが現状だが、直接対決がもう1試合残されているうえ、プレミアリーグは10試合で10ポイント差なら追いつけない勝ち点差ではないと言われている。 この直接対決で敗れた側が「過密日程から開放される」というのは皮肉な話だが、目の前の相手を倒すことにより、相手への心理的なダメージを与えるメリットや、2冠への道も見えてくるということになる。ロンドン五輪前年に、最高の激戦が繰り広げられることは必至だ。そしてこの両チームは共にビッグイヤーを勝ち取れるだけのクオリティを備えている。
(続く)
<筆者紹介>
中島雅淑 1983年 9月5日生まれ
19931996 地元の小学校のサッカー少年団でサッカーを始める。 当時は宇宙飛行士を夢見ていて「体を鍛えるため」という名目だったが、次第に魅力に取り付かれていく。
19961998 中学校のサッカー部に所属。
1999- 高校受験とともに辞め、進学校だった事もあり、一時期サッカーから離れるも、プレーしなくなった事により、見る「目」が肥えてくる。 また、高校2年時にはアジアカップ2000が開催され、再びサッカー熱に火がつくようになる。
2002- 大学のサークルでプレー。日韓W杯は全試合観戦。また「瑞穂陸上競技場」「豊田スタジアム」で名古屋グランパスの売り子アルバイトをしながら試合を観戦
2003- 大学中退して大阪へ 専門学校のフットサル大会のため体を動かす程度。テレビ局の関係でチャンピオンズ・リーグを定期的に観戦。
2005 3月 インターンシップで第87回センバツ高校野球のスポニチの取材補助を経験。
2006- 仕事の関係で東京へ プレーはしなくなるが、WOWOWに加入していたため、毎週リーガエスパニョーラを観戦。
2007- 地元岐阜に帰還。 FC岐阜が財政危機に陥っているという話を聞き、「地元のクラブを助けなければならない」という思いから、定期的にスタジアムに観戦に行く事になる。
また、市民参加型インターネット新聞新聞サイト「オーマイニュース」に登録して、スポーツ記事を主に発信。年末には活躍が認められ韓国での記者交流会に参加。
2010- テレビ局の関係でプレミアリーグを見るようになる。
<エピソード>
嫌がる元カノを無理矢理瑞穂陸上競技場のグランパス戦へ、 せっかくガストでいい感じで女の子と食事していたのに02/03のクラシコがテレビ放映されていたため、気がそっちへ行ってしまった実績あり。
波乱万丈な人生を歩む、だが東海屈指にフットボールを愛している27歳の男。
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