【連載】海を越えたピッチからの便り008
野口氏&トータルフットボールアジアは、中国でサッカーを通じた社会貢献活動を行っています!
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少し道に迷ったため、グラウンドに到着したときには、すでに練習は始まっていた。団地の建物に囲まれた、公式のサッカーグラウンドが一面あるだけのグラウンド。そこを四面にくぎって、年代別に練習が行われている。下はU-8(アンダーエイト)から、上はU-12までだ。
私はグラウンドの隅を通り抜けて観覧席に腰を下ろした。ちょうど目の前にグラウンドで野口が指導を行っている。四面のグラウンドにはそれぞれにコーチがついていて、その年代に合わせたトレーニングを行っている。
私は野口の言動に注目した。
昨日のインタビューでは真剣な顔でサッカーについて、日本について、文化について、情報化社会について、とにかく様々な話しをした。その男が、子供たちの前ではどのような態度でコーチングしているのだろう。
野口は自然体で指導していた。いや、むしろ無邪気といったほうがいいかもしれない。それはもちろん、野口が子供目線で、子供のところまで降りていって指導をしているからだが、野口そのものもサッカーの練習が好きで、ボールを蹴るのが好きなのだ。見るものにそう感じさせる姿が野口にはあった。
続く
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小松英之【連載】海を越えたピッチからの便り
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