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【小松英之試合レビュー】韓国20ギリシャ(グループB)

小松英之【連載】海を越えたピッチからの便り

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【小松英之による試合レビュー】

2010年6月12日 グループB 韓国20ギリシャ

アジアの先陣を切って登場した韓国がやってくれた。

「アジアは格下」という世界の下馬評を完全に払拭する完勝だった。

確かにギリシャのできはよくなかった。しかし、W杯初戦という条件は韓国とて同じ。ギリシャの調子が悪かったことを差し引いても、十分評価できる韓国の大勝利であった。

それにしても、この強さはさすがだ。

私のある友人は『アジア離れした強さ』と表現したが、的を得ている。この勝利は今後のアジアに対する評価を変えるかもしれないくらいのものだった。しかも、「アジアはかくして世界に勝てり」という、他のアジア諸国のお手本になるような試合運びだった。

とにかく運動量が落ちない。90分間走り回っていた。あれは単にスタミナだけの原因ではなさそうだ。ゴールを決めても手を引かず、どんな状況でも最後まで戦い抜くという徹底したスピリットあっての運動量だろう。

そしてスピードである。パク・チソンは言うまでもなく、とにかく韓国代表は早い。守りから攻撃への転換、ボールを奪った直後のカウンター、そしてその姿勢はゴールへ一直線に向かうため、よりスピード感にあふれ、そして迫力がある。全員攻撃、全員守備。そんな状況でも手を抜かない勤勉さ。日本代表のお手本のような戦いである。

そしてやはりパク・チソンに触れないわけにはいかない。

恐らく、これまでのアジアサッカー史上最高の選手ではないか。それくらい、世界レベルをいっている。パク自身が決めた韓国の2点目などは、それこそプレミアリーグで見られそうな、世界最高峰のゴールである。

一方のギリシャは、残念ながらいいところがなかった。

高さとロングボールを生かしたパワープレーでゴールを割るという戦い方は明確であり、韓国のような高さとフィジカルのない相手には友好的だが、しかしいくら韓国、もしくはアジアの国が相手とはいえ、疲れていない時間帯ではそうそう決められるものではない。相手の疲労がランニングとジャンプに影響するくらいにまでいけば、効果はてき面である。

それが、韓国に早い時間に先制されたがために、苦しい展開になった。パワープレー以外に顕著な攻撃の形がなかったことは痛かった。

逆に言えば、韓国は早い時間帯に先制したことで、相手のよさを消し去ることに成功した。

先制点を奪い、相手のよさを消し、自分たちの形に持ち込んだ。

まさに韓国にとっては完勝といっていい勝利だった。

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筆者紹介:小松英之(こまつひでゆき)

サッカーコラムニスト。中国語教師。龍飛中国語会話スクール名誉講師。サッカー専門サイト「BEE Football Spirit」アドバイザー、コラムニスト。

静岡生まれ。

小さい頃から地元の高校である清水商業や清水東、東海第一(当時)、静岡学園などの試合を見て育つ。大学卒業後に中国に渡り、日本代表やJリーグの観戦ができなくなるが、あふれるサッカー熱は抑えきれず中国サッカーの観戦及び取材を行うようになる。その他チェルシーマンチェスターC、ユベントスなどの観戦経験あり。

中国サッカーへの造詣が深く、山東魯能をはじめ上海シンハや武漢光谷といったクラブ関係者と交流があり、Jリーグのアジア枠設置に伴い、中国人選手がJリーグへ移籍する際の窓口の一つにもなっている。

08年 Cリーグ武漢光谷のスポンサー募集窓口担当。

08年 山東魯能のCリーグ優勝祝賀パーティーに日本人として初めて正式招待。

09年 アジアチャンピオンズリーグ 山東魯能日本人アドバイザー。

山東魯能でコーチを務める張海濤コーチとは家にも行ったことがあるほどの仲。張コーチは08年、ドイツのケルンFCにてコーチ留学を終えて帰国した。ドイツでのコーチ留学の状況を聞けるなど、貴重な交流を重ねている。