【公式】松本忠之「中国人は反日なのか」(コモンズ出版)著者のブログ

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幸福な日本サッカー:オシム「今度は私が『頑張れ』と言う番だ」

編集:中国サッカー魂編集部

前日本代表監督のオシム氏が、日本サッカー協会のアドバイザーに就任し、その会見が行われた。

会見の内容

オシムがまだ監督をしていた頃。

あるTV番組で川口能活選手が語っていた。

オシムさんが日本の監督をしてくれているということに、僕らは感謝しなければならない」

これは恐らく川口選手の本音であると思う。

オシム氏のその複雑で多難な人生はご本人の著作に譲るとして、あれだけサッカーを熟知し、それを現実に指導できる力を持った監督はそういない。

しかも、弱いチームを効率的に強化し、強豪と十分に戦えるだけのチームに仕立て上げていく点でとても優れているオシム氏は、世界の強豪にチャレンジし続ける日本代表にとてもマッチしているように思えた。少なくとも、選手個人の発想や自由を尊重し、ブラジル並に組織ではなく個人を軸にしたチーム作りを目指したジーコ監督よりは、オシム氏の方法論は日本に合っていたように思う。

オシム氏自身も語ったように、日本代表は「日本サッカーの日本化」が必要であると私も思う。今回の就任会見でも、オシム氏はオシム節全開で次のように語っている。

「皆さん難しく考え過ぎてはいませんか? シンプルですけど、そこ(よく走り、よく考えながらプレーする)から始めればいいのです。サッカー強国がなぜ強いかを分析をし過ぎていませんか? (サッカー強国の)まねをしても彼らを超えることはできません。まねは良いことではありません。ですから、日本はコンプレックスから開放されて、自分たちのストロングポイントを自覚することが必要だと思います。」

まねをするのは本当に初期の初期でいい。しかし、日本代表はもうすでに初期の段階ではない。W杯に3度連続で出場し、地元開催ながらベスト16の最高成績もある。さらには欧州の主要リーグでプレーする選手も増えてきた。日本は、まさに今「日本化」を求められている。ブラジルともイタリアともオランダともアルゼンチンとも違うサッカー。それでいて、しっかりとW杯で勝っていけるサッカー。それを確立しない限り、W杯本大会で強豪を破るサプライズを見せることなど不可能であろう。そして、それが確立されたときには、日本はW杯の常連国の仲間入りをしているかもしれない。

その点、岡田現監督には、この「日本サッカーの日本化」という点においては非常に期待している。「接近・展開・連続」——チームつくりのコンセプトも明確に示しているし、またこのコンセプトは日本人の特性を生かしたものでもある。しかしながらチーム作りは一朝一夕には行かない。時間をかけて、しかしながらW杯でしっかり結果を出しながらチーム作りをしていく必要がある。

2002年韓国代表を率いて数々の奇跡を起こしたあのヒディング監督でさえ、就任してからしばらくの代表戦では連敗していた。「監督解雇」の国内世論が高まる中、ヒディングは不適に笑いながらこう言ったという。

「予定通りだ。今は負けから多くを学ぶ必要がある」

岡田監督がヒディングになれるとは思っていないが、しっかりとしたチーム作りをしながら同時に結果を出していくというこの難行を任せられるのは、日本人ではやはり岡田監督しかいないのではないか。オシム氏の発病で、どうしてもコミュニケーションを考えたときに日本人監督しかなかった当時の選択肢からすると極めて妥当な人選であり、さらに先のホームのオマーン戦ではみなが納得する結果は出した。少なくとも私は、岡田監督に期待していいのではないかと思う。楽観的すぎるといわれてしまいそうだが…

しかし、オシム氏が日本協会のアドバイザーになったことは本当に日本サッカーにとって幸福なことだと思う。これからは、ユースの育成にも今まで以上に関われるそうだ。若い世代の成長なしに、持続的な発展はありえない。その意味からも、このニュースは非常に明るいニュースであると思う。まぁオシム氏は会見のフラッシュが多すぎて、その明るさに閉口したようだが…

中国代表にも、オシム氏のような指導者が来てはくれないかとつい思ってしまう。

もちろん、フラド現監督も素晴らしい指導力を持っている。実際、W杯アジア3次予選では死のグループと言ってもいいグループで、健闘している。もしも3次予選で姿を消すようなことになれば、言い訳などできない。たとえそれが死のグループでも、だ。中国サッカー協会の人選の問題になってくる。なんとしても、今月の残り3試合。2勝1分の成績で最終予選へコマを進めてほしいと願わずにはいられない。

提供:ビッグイーストグループ

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