【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.13 2 of 5
Dialogue with Yuto Nakamura No.13
February, 2018
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---まずは、第9節のR&F富力戦についてお伺いします。中村選手は先発し、54分までプレーしています。左膝の痛みが治り、しかし復帰したばかりで体力的なコンディションがまだ不十分だった前の試合と比較して、この試合のコンディションはいかがでしたか?
※この試合は1/13のオリジナルからリスケジュールされた。
中村「前半プレーした感じからすると、90分できるなという感じでした。調子はすごい良かったし、動けているなという手応えもありました。それだけに、54分で交代を告げられたことにはびっくりしました」
---そうだったんですね。では、本人としては、交代がなければ、90分、十分にやれたという感覚ですか?
中村「そうですね。90分やれたと思います。それだけに、残念でしたね」
---試合内容ですが、前半42分に先制してハーフタイムを迎えるという理想的な展開でした。この試合でも、これまでのように、Taipo FCの守備は、はまっていましたか?
中村「はい。とてもうまくはまってました。前半、ひとつPKを与えてしまったんですが、それもGKが見事に止めてくれて。守備も、奪ってからのカウンターもよかったし、理想的な試合運びができていましたね」
---前半26分にPKを与えてしまったものの、GKがセーブしてチームのピンチを救った。これは試合展開的に、やはり大きかったですか?
中村「はい。それは本当に大きかったです。先制されていたら、試合の流れも変わっていたと思います」
---42分の先制点ですが、中村選手がパスをカットしたところから攻撃が始まりました。
中村「本当に理想的な得点でしたね。奪ってから、たった2本のパスでゴールまで結びつきましたから」
---中村選手が起点になってますよね。
中村「まぁパスカットしたのは僕ですけど、周りの選手がコースを消してくれて、たまたま僕のところでカットできただけであって、チームとして守備がしっかりできていました」
---でも、中村選手が奪ったことで、中村選手の展開力、判断力、パスセンスによって先制点につながったのではないでしょうか?
中村「どうですかね。僕のパスそのものは全然難しいものではなく、前の選手に渡しただけだったので、その選手のパスと、フィニッシュを決めたイゴール(元鹿島のアルシンドの子息)の突破力だと思います」
---前半34分に、中村選手はイエローを一枚もらっています。
中村「ボールホルダーに対して、激しく行ってしまいました。ただ、両チームとも、とても熱くなっていたし、あれくらい激しくいかないとっていう雰囲気もありました」
---この時は、「あ、これはイエロー出る」ってわかりましたか?それとも、意外なジャッジでしたか?
中村「これで出るの?という感じでした。激しくといっても、2回も3回もやっていたわけではなかったので。ただ、相手のホームであるというのはありましたね。ファールの度に、相手サポーターも騒ぐし、審判もつられてしまうところはあるのかなと」
---ハーフタイムでは、当然ながら、後半もずっとプレーするつもりでいたのでしょうか?
中村「それが、ハーフタイムに監督が広東語で、7番の選手(黄威)に、中村が下がったらお前が中盤に入るからな、というような話をしていたので、交代はあるなというのは気付いていました。ただ、54分に交代とは思わなかったですけどね。あと、イエローも貰っていたので」
---後半、80分にTaipo FCが追加点を奪うまでは、膠着状態が続きました。
中村「まぁ守備は安定していたし、攻撃もフィニッシュまでいい形でいけた場面もあったので、悪くはなかったですよね。ただ、落ち着きはなかったですけど」
---今季のTaipo FCに見られる傾向として、中村選手がピッチから去ると、中盤でのつなぎがなくなってしまうというのがあります。チームやボールを落ち着かせる場面が減る印象です。
中村「今のチームの志向として、中盤を省略して前に大きく蹴ってしまうというのはありますね。それでまた守ってからのカウンターとか。だから、中盤を落ち着かせるとかがなくなってきてるんですよね。その中で、いかに自分の色を出すかだと思うんですが」
---ただ、チームは2018年に入ってから、3連勝しています。そういうサッカーでも結果は出ている。これを、単なる結果オーライと捉えているのか、それとも、このやり方を続けてるから結果が出ているんだという戦略性があるのか、どちらでしょうか?
中村「うーん…。まぁ監督が結果オーライってことにしてしまっているのはありますかね。結果オーライというか、これで勝ってるじゃないか、と。ただ、選手はこのままじゃだめだと思ってやっているので。ラッキーな要素が多く含まれた勝利というのも、少なからずあるので。選手は危機感を持っていますよ。もっとできるはずなのになと」
---もっとできるはずなのにというのは、このままいくと、今は勝ってるけど、そのうち負けてしまうよという危機感でしょうか?
中村「そのうち負けるというか、まぁいずれは負けるでしょうけど、僕らは攻撃において、立ち返る場所がないんですよね。守備のところは形ができてますけど。もっと実力あるチームとあたって、こてんぱにやられたときに、立ち返る場所がない。だから、3連勝しているといっても、危機感は強いですよ」
---最終スコア2-0で勝利。この試合についてはどうですか?
中村「アウェイで勝てたことや、クリーンシートで終えたこと。また、相手も簡単ではなかったし、いいサッカーをするために試行錯誤しているいいチームだったので、とても価値ある勝利だと思います」
続く
【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.13 1 of 5
Dialogue with Yuto Nakamura No.13
February, 2018
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2018年の最初の試合を勝利で終えた中村祐人がプレーするTaipo FCは、その後、続けざまにR&F富力とのアウェー戦、そしてサザン(KC Southern)とのホームゲームに臨んだ。中村祐人が自身初という、中国の広州市へ乗り込んでのR&F富力戦を0-2、そしてホームでのサザン戦を1-0で勝利して、Taipo FCは2018年が始まってからリーグ戦3連勝と好調を維持している。
しかし、その裏には、単純な戦績だけではうかがい知ることのできない事情があった。3連勝のチームに危機感を抱く選手たち。そして、この3試合でいずれも、ほぼ半分までの出場に留まっている中村祐人の心中。さらには、突然、中村祐人がFacebookでサポーターに向けて発信したメッセージ。チームが3連勝を飾る背景に何があるのか。
また、自身初という広州でのアウェー戦についても詳しく聞かせてもらった。そこには、以前も語ってくれた香港リーグの強化という願い以外に、チームの強化という思いも存在していた。システム上は同じ国であっても、個人感覚では違う国。そんな複雑な地域性をはらむこの地で戦う中村祐人ならではの事情がそこに垣間見えた。
中国や韓国など、旧暦でお正月を祝う国々は、2/16(旧暦の元旦)に向けて年末年始の休暇に入る。
香港プレミアリーグはシーズン中のため、香港に残り普段通りに過ごすという中村祐人に、リーグ戦の2試合を振り返ってもらった。
続く
【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.12 5 of 5
Dialogue with Yuto Nakamura No.12
January, 2018
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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.12 4 of 5
Dialogue with Yuto Nakamura No.12
January, 2018
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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.12 3 of 5
Dialogue with Yuto Nakamura No.12
January, 2018
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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.12 2 of 5
Dialogue with Yuto Nakamura No.12
January, 2018
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【中村祐人】Dialogue with Yuto Nakamura No.12 1 of 5
Dialogue with Yuto Nakamura No.12
January, 2018
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